
補足資料


PROJECT MEMBER
港に近づくにつれて高まる期待感。 特徴的なかたちをしたアスパムが見え、ベイブリッジが見え、青森の街並みが見えてきます。 そしてターミナルの屋根の上には温かい笑顔で歓迎する数多くの県民たち。 世界中から訪れた人が「いちばん初めに出会う青森」に何がふさわしいか。 それは元気であたたかい歓迎の気持ちにあふれた県民だと考えます。 青森各地に名所や特産品は数え切れないほどありますが、 名所はその場所を訪れてこそ本当の価値を味わえるもの。 旅の玄関口であるターミナルはそれらを集めた観光館ではなく これから出会う青森の無限の可能性を想起させ期待感を高める空間であるべきです。 ここは、歓迎する県民ひとりひとりが美しく映える舞台のようであり 観光客ひとりひとりの美しい青森の思い出の背景となるようなターミナルです。 長さ100mの大きな屋根は青森港やクルーズ船を眺める格好の舞台となります。 あえてよけいな色彩を省いた慎ましい建物はスケールの大きな青森港エリアにほどよく調和し 大屋根の上で観光客を出迎える県民たちの姿を美しく見せてくれます。 観光客がクルーズ船から降りて、ターミナルへ入る時にはトンネルアクセスを経由します。 これは雨に濡れずに内部までアプローチさせるのと同時に 建物に足を踏み入れた途端、一気に大空間へと視界を広げるという空間演出効果があります。 大きな空間の頭上にはこの特徴的な青色の天井があります。 青森には青森藍や十二湖の青池など様々な青い名所や特産物がありますが、 それをアオモリブルーと呼ぶ四色の青で表現しています。 まさに「青森で出会う様々な青」を象徴する空間というわけです。 このターミナルはこれから出会う青森を予感させて期待感を高め 帰る時にはこの旅で出会った美しい光景の数々を思い起こさせるトリガーとなります。 また、この建物はクルーズ船が寄港していない時には県民の様々な活動の舞台となります。 大きな建具を開放することによって南北に貫く大空間として拡張することが可能で 隣接する広場と一体となったクラフトフェアなど様々なイベント会場として活用することができます。