




PROJECT MEMBER
大手回転寿司チェーンくら寿司の日本国外初のグローバル旗艦店を台湾高雄にデザインした。くら寿司台湾は国内の旗艦店に続き、歌川広重の「東都名所高輪廿六夜 待遊興之図」に描かれた、町人たちが屋台で気軽に寿司を楽しんでいる江戸時代の1コマから発想を得た「食×エンターテインメント」の原風景を現代に蘇らせる空間コンセプトをさらに進化させた最新型で、旗艦店としては初となる建築のプロジェクトである。日本建築の伝統的な素材である瓦で葺かれた大きな屋根と木の外壁、天井高さ6メートルを超える開放感のある白木の空間を有する建物は客席数288席を誇る世界最大の店舗である。建物正面にはカラフルに発光する200個の「提灯ウォール」が設置され、賑やかなお祭りの印象を街へ発信する。長さ20mを超える建物側面には、江戸の町人文化の象徴であり、和食との親和性も高い江戸文字をベースにした相撲の番付表がモチーフである「メニュー番付グラフィック」を全面に掲げた。店内に入ると、高さ3メートルの大きな提灯と、くら寿司の家紋を形取った直径約3メートルの水盤が設置されている。待合には、歌川広重の巨大な浮世絵や提灯が飾られた縁日スペースが設けられ、射的と千本くじの屋台など日本のお祭り文化を体験できる賑やかなエンターテイメント空間とした。客席は白木で統一され、高級感と居心地の良さが共存するシンプルなジャパニーズモダンのデザインで統一されている。木のやぐら(木組)と白の暖簾にによって緩やかに仕切られており、新型コロナウィルスの対策も兼ねた半個室の構成で、椅子の座面には畳を使用しリラックスして食事の時間を過ごせるように配慮した。環境保護に対しても積極的に取り組んでおり、Agriculture Bureau of Kaohsiung City Goverment の「グリーンレストラン認証」を取得している。この制度は地産地消、安全な農作物の生産と消費を促進するための制度で、認証を受けるには「省エネ」「環境保護」「緑と安全な食事」「グリーン・イニシアチブ」「健康・安全管理」「持続可能な経営」の6つのカテゴリーの評価を受ける必要がある。建築材料も環境保護の材料を採用しており、壁・天井に使用している建築材料は、TAIWAN Architecture&Building Centerが発行する、Green Building Material label.と、台湾の環境保護局 (EPA) が発行するGreen Mark Programを取得している。くら寿司は、創業者である田中邦彦社長が、幼少期に日本の「蔵」を見て「中には何があるんだろう?」とワクワクして夢が膨らむ思いを持たれていたことから、お客様に夢や楽しみを持って来店していただきたいという願いを込めて「くら寿司」という屋号を掲げて始まった。「人を喜ばせたい、人に喜んでもらいたい」「幸せな笑顔というのは、楽しい体験とともに美味しいものを食べることで生まれる」という創業者の強い想いを受け、そのメッセージを世界中の方々にお届けできるよう「食×エンターテインメント」日本の回転寿司カルチャーの最新型の環境空間を台湾に出現させた。
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