庭々をつなぐ家

ビルディングタイプ
戸建住宅
7
641
日本 京都府

補足資料

1F PLAN
図面
2F PLAN
図面
Section 01
図面
Section 02
図面

DATA

CREDIT

  • 撮影
    中村晃
  • 設計
    Studio KOM
  • 担当者
    岡本圭介 / 岡本まり亜
  • 施工
    安中工務店

京都市で暮らす4人家族のための住戸の新築計画である。 最初に、南側の日当たりの良い場所にリビングとつながる中庭を据え、公園から中庭までを「通り土間」によってつなげた。また、公園とのつながりを2階でも体得するために、公園の桜の木を起点とした直線上に這わせた「小路」に沿うよう、居室をちりばめた。 京町屋の祖型を参照している通り土間により、土足のまま中庭と公園を自由に往来する中で、目の前の「公園」は、この住まい手にとって身近な「前庭」へと変貌していく。 「小路」は、京都の町屋街を奥に入った小路を歩いているときに感じた、私的性と公共性が共存するような街の魅力に着想を得た。路地灯を再解釈したブラケットライトを配し、自然光を取り込む開口を散りばめることでリズムと視線の奥行を作った。 これらの独立した2軸による平面的な広がりを立体的に接続するため、公園との境界に位置する北側に大きな踊り場と出窓を設け、滞留起点を作った。京の茶室を手掛かりに、天井高の低い「こもり場」をリビングに接するように据えて、両者を吹き抜けとトップライトによって垂直に接続した。垂直動線上に小さな居場所をいくつか配置することで、上下・内外の空間の関係性が、立体的かつ相互に波及しあうことを目指した。 第一種低層住居専用地域のような街並みの中では、プライバシーの観点で都市に対して形式的には背を向けながら、内部の住空間にフォーカスしたプランニングがセオリーである。 敷地のコンテクストと建築の形式が一対一で対応しているような関係性を、意図的にずらしてみる。これにより、日常風景に「心地よい驚き」が生まれる。

物件所在地

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