
補足資料


PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- 共同住宅・集合住宅・寮
- 工事種別
- リノベーション
- 延べ床面積
- 64.88㎡
- 竣工
- 2025-04
CREDIT
- 撮影
- 中村晃
- 設計
- Studio KOM
- 担当者
- 岡本圭介 / 岡本まり亜
- 施工
- 2025
海の近くに立つマンションのセカンドハウス用のリノベーション計画である。 逗子に集まるヨット乗りの別荘地を想定して、「海の中にいるような空間」をコンセプトとしたマンションリノベーションの依頼を受けた。 エントランスを入り、海中の神秘的な青さを彷彿とさせる、青いトンネルを抜けた先に、「青い境界線(Bounds Blue)」が現れる。海と陸のあいまいな境界線上に流れるリゾートの高揚感に、海の中にいるような身体的感覚が内包されていると考えた。 鮮やかな青色を表現するために採用した塗料は、Soil Paintである。「土」と「水」由来のSoil Paintは、同じく「土」と「水」由来の「海」の青を表現するという目的に合致していた。光の当て方や色温度、ほかの素材の反射光によっても青の鮮やかさは大きく変わるため、様々な検証をしながら鮮度を最大限高めるための「青」を特注で作り上げた。 南西側に海が臨める住戸配置であることから、海の水平面が連続するような色分けに配慮している。窓を開ければそのまま波の音が聞こえてくる。 水回りは身体的にも水中の感覚が想起されるため、逗子特有の砂鉄が含まれる磯浜の黒色を青に足したカラーパレットとし、水中の身体的な原風景を連続して体得するための空間を作り上げた。 建築主と会話を重ねる中で、「海」のイメージに、ヨット文化の歴史と密接につながっている、アドリア海の情景が垣間見えた。地中海の港町に連続する赤い洋瓦の屋根と、地中海に沈む夕日が、逆説的に海の青さを軽やかに強調する。「青」を最大化するための陸の原風景をアクセントカラーとして寝室に閉じ込めた。