
1階ロビーのリノベーションと客室の修繕計画である。 ロビーにはカフェバー機能を付加するために、 ホテルのように広いロビーを設けるのではなく、民宿の馴染みやすく落ち着きのある雰囲気のロビーを目指した。それを実現するにあたり、広いロビーに客室のようなスケール感の箱を2つ挿入した。 1つの箱は1階床レベルから150mm高くしており、ソファでくつろげる空間に、もう一方は300mm高くして床座の空間にしており、地元の人々や観光客まで様々な客層の幅広い年齢層がくつろげるような場所とした。またそのどちらにも既存の開口があり、渓谷を眺めることができる。 また箱の外側は前面道路から一続きの外のような場所として、グレーの塩ビタイルの空間としている。またそこは植物好きなクライアントがプランターを置くことでより外部のような雰囲気となり、箱と中/外のコントラストが相互に関係しあいながら豊かな空間となっている。 箱により、全面道路と渓谷の間を多様な空間を重層させることで、周辺とは異なる経験と眺望をもたらすようなリノベーション計画である。