
PROJECT MEMBER
長野県飯綱町にある築27年の「いいづな歴史ふれあい館」の常設展示室の展示リニューアルプロジェクト。旧牟礼村と旧三水村の合併から20周年となるこのタイミングで展示内容を町内全域へ拡充することを主目的として、まちの自然・歴史・文化の魅力を住民と共に探求し・学び・発信するため展示内容の大幅なリニューアルを行うプロジェクト。展示計画では、町内から発掘された貴重な遺跡や先人が暮らした生活の知恵など、来館者の「共感」を生む展示手法を模索した。展示ケースに使用したOSB合板の木片が積層された意匠は、歴史を重ねた展示施設に親和性が高く、世界観も共有しやすいと考えた。OSBへの塗装とサンダー掛けを繰り返すことで磨き上げられた繊細で力強い展示ケースとなった。地元小中学生が自分のまちの歴史に触れ、その奥行きを体験することは帰属意識を高めることにも繋がる。畳敷きの座れる小上がりスペースを設けたり、既存展示台を活用した回遊性のある展示ケースによって、パブリックな緊張感が緩和されるように工夫している。おじいちゃんおばあちゃんが孫を連れて昔話をする風景がこの常設展示室の日常になればと願っている。
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