
PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- 共同住宅・集合住宅・寮
- 工事種別
- リノベーション
- 延べ床面積
- 51.8㎡
- 竣工
- 2024-01
CREDIT
- 撮影
- Yuichi Tatsukawa
- 設計
- 伊藤憲吾建築設計事務所
- 担当者
- 伊藤憲吾 / 高田明日香 / 森悟
- 施工
- 是永ホーム
分譲マンション一室のフルリノベーション計画である。 別府市にあるマンション一室を購入し一新することになった。大学生のお子さんが一人暮らしをする際に、今後かかる家賃を不動産に投資することで次の展開を意識することが計画された。大学を卒業後は賃貸などに転用が可能である。住まいにかかる費用を投資とみなし、投資回収を見込むことで工事予算も幅を持って考えることが可能となる。築年数は40年ほど経った鉄筋コンクリートの集合住宅の最上階の一室であり、別府湾を望むことができる好条件であることもその要素となる。 現状調査では分からなかった配管ルートなどが解体時に確認され再計画をすることになった。古い建築はその当時の施工方法を想像する必要がある為、現場で対応する姿勢が問われる。 仕上げは躯体を現すことを想定していたが、壁は躯体に直貼りのクロス仕上げとなっており、クロス下地のパテ処理も途中の改修時により接着度合いが違っていた。それによりパテが剥がれない部分もあり、部分的に塗装仕上げに変更している。コンクリートの躯体の表情と塗装の表情がミックスされた空間となった。新築では生まれないリノベーション独特の豊かな表現と言える。 キッチンはスケルトンの物を採用し、収納は可動する家具で製作した。これにより伸びやかで可変性のある使い方が可能である。アレンジできる家具は自分なりの収納方法を作ることができ、インテリアの自由度が高い。 大きなワンルーム構成とすることで面積を最大限に利用し、伸びやかな生活ができる。ゼロに近い空間とすることで、今後、間仕切りを設けることで個室を作ることも可能である。不動産投資としても長く運用することができる物件となった。 暮らしを支え、生活を楽しくするための住空間をつくる事は最も大切だが、大きな費用が掛かる以上は運用も心掛けたい。今後、物価高騰が続くことを予想すると、住まいにかける費用は投資として発想することも要素となってくるだろう。