
PROJECT MEMBER
大阪の南東に位置する旧ニュータウンに設計した二世帯住宅である。 柔道場を併設した家を作りたいというご要望でスタートした。大きな趣味の部屋のある住宅として設計し、念の為 将来的に兼用住宅としても使えるような面積配分とした。当初は柔道場のみであったが、途中からゴルフ、バスケットボール、ボルダリングもできるフリースペースにしようと発展し、それぞれのスポーツに対応した天井高さを確保し、開閉式のゴルフネットや、バスケットゴールやライン、ボルダリングウォールを備えた空間となった。畳は置き型で、15分もあれば並べたり外すことができる。 キッチンダイニングは二世帯共用で、みんなが集まる食堂のようなスペースである。角に配置した窓から植栽が見えたり、折れ窓からアウトドアリビングと繋がることで視線の抜けや広がりのあるスペースとした。 2階にはミニリビングと屋上テラスがある。それぞれフリースペースが見えるため、コンパクトながら広がりが感じられる。屋上テラスは屋根が抜けていて2階のリビングや廊下に光を届ける。 共用スペースの他に個室が5つあり、家族が一緒にいる時間が過ごせる居場所と同様に個人的な時間の過ごし方ができる居場所も求められた。 必要な車や来客用に、駐車場は4台分を確保した。カーポートはヒノキ表しの木造とし、格子や木製建具のヒノキの色味と合わせていて、建物の外壁のグレーへのアクセントにもなっている。カーポートやアプローチ、下屋、主屋と様々な形態の屋根が連なることで、敷地より2mほど低い道路から見ると迫力のある高さが感じられる主屋のインパクトを和らげられるように考えた。 植栽は視線を柔らかく遮ったり室内から楽しめるような位置に配置し、施主と造園家と相談しながら、季節感や実りの楽しめる多種多様な植栽が植えられた。 周辺に緑の多い宅地が多いこともあり、植栽が育つことで街並みにも溶け込むことを期待している。 家の敷地内にいながらいろいろな過ごし方のできる楽しい家になったのではないかと思う。