
補足資料

PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- 共同住宅・集合住宅・寮
- 工事種別
- リノベーション
- 延べ床面積
- 62.18㎡
- 竣工
- 2024-04
CREDIT
- 撮影
- 川辺明伸
- 設計
- STUDIO BOKSTON
- 担当者
- 石本翔大
- 施工
- ハレリノベ工務店 / GHL
- テキスタイル
- Haruka Shoji Textile Atelier
夫婦の住まいとして計画した、マンションの⼀室リノベーションである。 室名が用途を決めるのではなく、陽だまりを求めて移動する猫のように、「自然の移ろいを最大限に享受しつつ、建築の仕掛けによってその時々に応じた相応しい場所を選択できる暮らし」を目指した。 もともとはLDKと3つの個室による、各居室が分節され廊下で繋がるプランであったが、分節させていた壁を取り払い、ワンルームの居室とした。3⽅向に設けられた5つの窓からは、季節や時間、その⽇の天気によって内部に届く光が刻々と変化する。ワンルームとすることで、どの場所で過ごしていても変化する光をあらゆる方向から感じられるようになった。加えて、東から西へグラデーション状に色合いを変化させたカーテンを窓面に設けることで、光と共鳴し、ダイナミックに時間の変化が室内に現れる。 夫婦は共働きでリモートワークも多い⽣活が想定された。共に過ごすこともあれば、別々に過ごすこと、来客を交えた打合せや撮影スタジオとしての使⽤など、フレキシビリティの高さが必要とされた。そこで、ワンルームではあるものの、2つの異なった質の空間を設け、それらが緩やかな境界で接することで、暮らしのバリエーションを広げる建築を考えた。 具体的には、仕事場にもなるリビング、ダイニング、ライブラリといった、⻑時間過ごすエリアは、床を既存のFLより50mm下げ、既存の吊り天井を取り払い、壁面は躯体にモルタルのみとするなど、気積を最⼤化させた開放的でドライな空間とした。それに対比させるように、⼀時的に過ごす洗⾯所やキッチン、夜間のみ過ごす寝室エリアは既存のFLより100mm上げ、天井⾼を抑えつつ仕上げはラワンで覆うなど、スケールを抑えた温かみのある空間とした。その2つの異なった質の空間は小上りや垂壁、カウンターといった、完全に分節しない境界で接しているため、小上りに腰掛けて本を読んだり、来客を交えてカウンターを囲いながら調理をするなど、境界自体が活動を引き起こす。リビングと⽞関の境にある可動式収納はリビングとダイニング間に移すことで、一方を仕事専用のスペースとするなどの可変性を備えている。寝室はカーテンによる間仕切りとしているので、昼間は開け放つことで日中過ごす場所に明るさと広がりをもたらす。 主題ではないが、初めてこの住戸を訪れた際、斜線制限を避けるためと思われる斜め梁が印象的であった。その斜め梁が生きるよう、途切れることなく室内に現れるようにしている。
