高円寺の住戸

ビルディングタイプ
共同住宅・集合住宅・寮
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PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 撮影
    福田 駿
  • 設計
    T/H
  • 施工
    ホームビルダー

柔らかに広がる曇り空のある住戸 都内のマンションの1 室を夫婦と子供の3 人家族の住まいとして改修した。施主夫婦は海外の生活が長く、彼らが本来必要とする広さが日本の狭い住環境とずれているように思えた。住戸の物理的な広さは変えられないが、感覚的には施主の持っているスケール感に合うように、住戸の広さを規定している物質的な境界を緩め、実際よりも柔らかな広がりを持てるようにと考えた。 具体的には、背丈より上の部分を、隅をつぶすように滑らかな曲面でつなぐ。光を受けた砂状の左官材は面を細かな点に砕き、天井と壁というよりは、ぼんやりとした曇り空のようにも見える。奥行きが良く分からなくなり、感覚的な天井を押し上げている。 これに対し地上の部分は、既存の戸境壁を躯体現しとして極力広さを取りつつ、そこからサンプリングされた色調に、新たに建てた壁の塗装やタイルなどを揃えている。色の差のない壁のエッジは曖昧となってひと連なりに広がっていく。途中、LDK と寝室の境は厚い生地のカーテンを設え、生活の変化に対して、可変的でおおらかに暮らせるようになっている。 子供はまだ小さく、3 人家族で暮らせば住戸の中は様々な物で溢れることになるだろう。しかし、住戸の上部は変わらずにあり続けられる。広がりをもった環境を提供するこの部分は、ここで暮らす家族のための空である。

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