BEL TEMPO POOL VILLA

ビルディングタイプ
ホテル
2
80
日本 沖縄県

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 撮影
    井田佳明
  • 設計
    LSDdesign株式会社
  • 担当者
    比嘉幹
  • 施工
    LSDdesign株式会社

場所は石垣市・真栄里エリア。 繁華街から少し離れた、ゆるやかに発展を続ける地域に建つ。 海までは歩いて行ける距離にあるが、敷地からはその姿を望むことはできない。 だからこそ、この宿には“眺めるための自然” ではなく、 “感じるための自然” をどう取り込むかがテーマとなった。 戸建宿泊施設の魅力は、ひとつの建築をまるごと使い切る体験にある。 家族や友人とゆったりと過ごせる一体感、そしてホテルのような干渉から離れ、 自分たちだけの時間を過ごすこと。その両方をこの地で成立させるために、 「外へ閉じ、内に開く」構成を選んだ。 建物は敷地いっぱいに広がり、中心に“余白” としてのテラスを設けている。 外周にはほとんど窓を設けず、外界の視線とノイズを遮断した。 そして中心には、非日常の象徴となるプールを据えた。 LDK、ベッドルーム、水回りはすべてこのプールを囲むように配置。 建築の中心に水と光と空があり、そこに人の視線と時間が集まっていく。 この“余白” は、ただの中庭ではなく、人と人をゆるやかにつなぐ交流の場であり、 同時に、空へと意識を導くための装置でもある。 日中は光が壁を伝い、水面のゆらぎがRCの壁や軒から天井へと映る。 コンクリートと木の素材が織りなす陰影が、時間とともに変化していく。 時間と共に、建築は表情を変えていく。 建物の中にいながら、ふと見上げると抜ける空。 その瞬間、この場所が石垣島という自然を思い出させる。 外の喧騒を遠ざけ、ただ光や風を感じる時間。 この宿は、宿泊者に“余白” という贅沢な時間を与えてくれるかもしれない。 オーナーが名づけた宿の名「BEL TEMPO」は、 イタリア語で“今日はいい日だ” という意味。 訪れるすべての人が、そう感じられる一日を過ごしてほしい。

物件所在地

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