Bar L.I.C.

ビルディングタイプ
バー・居酒屋
9
450
日本 東京都

補足資料

改修前
その他

DATA

CREDIT

  • 撮影
    石井雄太
  • 設計
    novel
  • 担当者
    大橋怜史

目白のイタリアンレストランを長年営んできたオーナーが、解体予定のビルを舞台に、約2年間の期間限定でオープンしたワインバー「L.I.C.」。その名称は、イタリア語で「工事中」を意味する Lavori in Corso の頭文字に由来する。 このバーでは、完成形ではなく整いきらない状態の場としての魅力を創出した。かつて靴修理店だった空間を一度解体し、その過程で現れた下地や構造、擦れた壁面をそのまま素材として扱い、家具や照明で必要な機能を付加することで、改修のコストを抑えつつ最小限の操作で空間を構成している。 カウンターはブロックを積んでかたちづくり、バック棚にはランダムに立てたLGSスタッドにガラスを浮かせた構成とした。照明がスタッドに干渉し、幾層もの影が壁に重なり、まるで木立のような陰影が生まれる。 入口付近には立ち飲み用の余白を設け、通りに開いた窓からは、アンティークのシャンデリアの下に集う人々の賑わいが街へとこぼれる。その様子は、街に対するショーウィンドウのように機能し、通行人を引き寄せる風景をつくり出す。 奥の壁は全面ミラーとし、空間に広がりを与えると同時に、整然と吊るされたペンダント照明と街の気配を映し込む。視線は実像と反射像を往復しながら、店の奥にもうひとつの都市の断片を立ち上げていく。 足場板のカウンターや、工事灯をモチーフとしたトイレの照明など、細部にもコンセプトを楽しむ工夫をちりばめた。 将来的に近隣に常設のバーを出店する構想もあるため、「工事中」という状態の中でグラスを傾けることが、まだ見ぬ風景へのワクワクへとつながっていく。そうした感覚を、この場所を訪れた人々と共有できればと考えている。

物件所在地

9