稲村ケ崎の家

ビルディングタイプ
戸建住宅
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日本 神奈川県

DATA

CREDIT

  • 撮影
    米谷享
  • 設計
    木下治仁建築設計事務所
  • 担当者
    木下治仁
  • 施工
    喜立建設
  • 構造設計
    山辺構造設計事務所
  • 造園
    KAKARA GARDEN DESIGN

「しみじみと良い家だと思うような家を設計して欲しい」 打ち合わせの席で、施主がふとこぼした言葉です。家づくりの本質が何かを改めて考える機会になりました。   敷地は湘南海岸から歩いて15分ほどの住宅地。1960年代に開発されたこの街は、いま、世代交代が進み、新しい世代が移り住み始めています。建築主もそんな世代です。都内で暮らしていましたが、サーフィンやアウトドアを思い切り楽しむために、海に近いこの地を選びました。 敷地は東側に向かって下がっていくように造成されていて、前面道路からは人の背丈ほど高く、道路向かいの家越しに、遠くの山の樹々が見えています。南側は隣家が迫っているため、ふとした時に目に入る山の眺めに期待して、東側に大きく開いた暮らしを提案しました。   建築主からの要望の一つは「土間を介して庭とリビングを繋げて欲しい」ということでした。休日にはリビングと庭を一体に使ったアウトドアリビングを楽しみたい、そんな願いからです。 玄関ポーチからドアを開けると土間へと続きます。外収納も近く、サーフボードやアウトドアの道具の手入れを気兼ねなくできます。冬になると土間にある薪ストーブが家全体を暖め、家族が集まって調理時間も楽しんでいます。 土間を介することで、リビングと庭の関係がより親密になります。四季を肌で感じながら過ごせるようになり、暮らしの幅が広がったように思います。 土間の先に、客間、リビング、ダイニング、キッチンを配置しました。どこにいても庭が眺められ、その先の山々まで見渡せ、奥行きのある開放的な空間となりました。 一方、トイレ、洗面、洗濯・物干しといった水回りの部屋は廊下に面して配置し、日々の家事がスムーズになるようにしました。特に階段ホールを利用した洗濯・物干しは、限られた面積を有効に使いながら、生活動線上の使いやすい位置に配置したことで、日々の暮らしを快適にしていきます。   「良好な街並みを壊したくない」 住宅地に設計をするとき、いつも心がけていることです。施主が望んだ「良い家」になったかどうか、今はまだ分かりません。この住宅地に植えられた庭木が成長して、良好な街並みを作ってきたように、この家も新たに植えた木々と一緒に成長していきます。その過程で、ふと、「良い家だな」と思える時が来るのではないか、そう期待しています。 そう思えたとき、この街に住む人々も、同じような気持ちを抱いてくれれば嬉しいです。

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