




PROJECT MEMBER
壁と天井に施したやさしいピーチトーンが、空間全体を柔らかく包み込む。 ビビッドすぎず、沈みすぎず、心地よい居場所をつくり出す“色遊び”をテーマにした小さなギャラリースペースである。 本計画は、洋室一室のみという小規模案件でありながら、深い想いの詰まった相談から始まった。 お母様の遺品を丁寧に保管されていた物置部屋を、「色を楽しむ明るい部屋にしたい」という願い。そこに残されていたのは、お母様が遺したカラフルな生地や、色とりどりのスケッチの数々だった。 それらの“記憶の色”を空間にそっと反映させるように、素材と色調を選び、想い出に寄り添いながら、新しい時間を紡ぐための部屋へと再構築した。 余談ではあるが、お母様がこれからもそっと見守り、共に過ごせるようにと、工事中に天井裏へ想い出の品を静かに忍ばせている。 新しく生まれ変わった空間には、その温かな余韻がやさしく満ちている。
