お屋敷ステイ 幸

ビルディングタイプ
その他宿泊施設
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411
日本 香川県

補足資料

改修後
図面

DATA

CREDIT

  • 撮影
    三宅伸幸
  • 設計
    株式会社西崎組一級建築士事務所 / 合同会社4FA一級建築士事務所
  • 担当者
    西崎暢仁 / 中林仁子 / 江泉光哲
  • 施工
    株式会社西崎組
  • 構造設計
    株式会社西崎組一級建築士事務所
  • 家具デザイン
    阪急ホームスタイリング / Time&Style

「醤の郷」 小豆島の南東に位置する苗羽(のうま)地区は「醤の郷」と呼ばれ430年前から醤油づくりを始めて、最盛期には400軒以上の醤油蔵があったとされている。現在も20社ほどが伝統的な木桶仕込みの醤油づくりをおこない、早朝から辺り一帯に醤油の香りが漂う風情ある街並みを形成している。 「お屋敷」 その苗羽地区に現在は醤油づくりをやめてしまったお屋敷が残されている。300坪の敷地に築94年の母屋と築157年の蔵がつながり、L型の配置となっている。外構は荒廃しているが日本庭園が施されどこにいても庭の緑を楽しめる造りとなっていた。敷地には60cm程度の高低差があり、視線の高低がシークエンスとなりユニークなプランと感じた。また、素材はかつての高名な醤油庄屋としての誇りが感じられる仕上げ材や崇高な建具、家具や置物に至るまでこだわった物ばかりであった。 現在は使用されていないこのお屋敷を小豆島に移住してきたご家族が一棟貸宿を通じて島の素顔とぬくもりを感じてもらい、小豆島の未来へとつながる旅の一コマになるような宿に再生することからプロジェクトはスタートした。 「豊かさの体験」 小豆島といえば綺麗な海の見える宿を想像することから始まるがこの敷地はいわゆるリゾート感をもたらす要素はなかった。広大な畑と庭、周辺には民家が立ち並ぶ日常の延長といえる敷地であった。旅は名所や景勝を見るのが目的ではなく、土地に身を置き、土地に流れる時間に身を任せ、土地の歴史や文化に身を委ねることが何よりの贅沢な旅なのではないかと考えた。 この宿は、大きく間取りを変えず、部屋から望む庭やこの家に培ってきた歴史の重みを感じ、生活するように泊まることを目指した。かつて、醤油庄屋としての誇り高いお屋敷の要素は残しながら、現代的にデザインを昇華させることで新旧の生活を楽しむことが出来るであろう。 かつて存在した廊下の存在である板敷を全て撤去し、あらわになった土間から各部屋へと入る。内部空間でありながら外部を歩いている錯覚に陥り、庭との距離感も連続する。各部屋はそれぞれ独立した間へと変容する。 素朴でありながら職人の手仕事を随所に垣間見ることができ、光と影の移ろいを楽しみ、長く滞在したいという欲求こそ、本当の豊かさではないだろうか。小豆島という未だ原風景の残るこの島に未来へと継承する新しい宿が誕生した。

物件所在地

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