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駅と鉄道の記憶を旅するホテル THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection 1874年に開業した初代大阪駅の地に立つ THE OSAKA STATION HOTEL。西日本随一の賑わいに溢れる大阪・梅田エリアに新たに誕生したJR大阪駅直結のJPタワー大阪、その高層部にホテルを構える事となった。 鉄道会社として西日本の礎を創り上げたクライアントにとって、初代大阪駅の跡地という立地はとても特別なものであり、土地の歴史や文化、その価値を未来に継承すべく、ブランドコンセプトに「THE OSAKA TIME」が据えられた。我々はその思想を受けて、かつての大阪駅や鉄道の記憶を巡る「時空の旅」というデザインフィロソフィを設け、館内随所に記憶のデザインを施していった。 まず、ホテルの第一印象をかたちづくるパブリックエリアでは、「時空の旅」への導入部として、初代大阪駅の外観に用いられた赤煉瓦の記憶を大切な着想源としている。1 階のエントランスでは、象徴性の高い赤煉瓦色の特注ガラスを用いており、そこから29階のロビーフロアに上がると具象化された圧倒的な煉瓦の積層がゲストを出迎える。煉瓦の積み方を歴史の古いものから新しいものへと変化させていき、時の移ろいを感じさせる新たな煉瓦表現を試みた。 館内へ足を進めると、さらなる「記憶のデザイン」がゲストを出迎える。昔の駅にあった有人チケットボックスを現代に表現したフロントロビー、駅前広場のように人々が行き交うステーションスクエア、初代大阪駅のプラットフォームを想起させる切妻屋根のロビーラウンジ、豪華列車の食堂車を思わせるオールデイダイニング、仄明かりの通路の先に「駅長室」と書かれた隠し扉の後ろにあるシークレットバーと、鉄道や駅の記憶に焦点を当てながら、このホテル独自の「時空の旅」を広げていった。 また、館内の随所にはかつて鉄道車両や駅で使用されていた鉄道部品などをアートに昇華させ、空間とアートを一体的に扱いながら、過去や現在、未来が交差する時空の基点としてのストーリーを色濃く表現している。
