キミノサロン

ビルディングタイプ
美容
4
208
日本 福島県

DATA

CREDIT

  • 撮影
    Fukushima ad tower
  • 設計
    TORDIMO
  • 担当者
    牧野 広英
  • 施工
    株式会社 Le・plus

福島県・飯坂温泉に残る築122年の古民家を、美容室として再生したプロジェクトである。 生まれ育ったまちに再び人が集い、穏やかな賑わいが生まれる場所をつくりたいという想いから計画が始まった。 施主は東京で美容師として活動する一方、かつて人が集まることを好んだ祖母の家を、いつか地元に開かれた場所にしたいと考えていた。 敷地条件により当初構想していた美容室への改装は叶わなかったものの、地元に戻り、飯坂温泉街に美容室兼フリースペースを構えることで、まちとつながり、人が集う場をつくるという祖母の想いを別のかたちで受け継ぐこととなった。 外観や空間構成は、老舗の宿や商店が連なる飯坂温泉街の記憶に溶け込むことを意識し、既存の梁や建具、建物の佇まいを可能な限り残しながら、新しい素材を丁寧に重ねている。 残すものと整えるもののバランスを慎重に見極め、古いものと新しいものが同じ温度感で共存できるよう、時間のレイヤーが連続するデザインを心がけた。 1階は、美容室の機能に閉じない、まちにひらかれたスペースとして計画した。 展示やワークショップ、撮影、ポップアップなど用途を限定しない余白を持たせることで、人が自然と集い、会話が生まれる場となることを意図している。 床には木漏れ日を想起させるタイルを用い、古民家の土間や縁側が持つやわらかな温度を、現代的に再解釈した。 2階は、周囲の気配からゆるやかに切り離された、静かで落ち着いた個室の美容室である。 梁を現し、屋根勾配を生かした天井とすることで高さと広がりを確保し、照明は天井面をやわらかく照らすことで包み込まれるような静けさをつくり出している。 古い木材の表情と木毛セメント板の素朴な質感が重なり合い、施術に集中できる穏やかな環境を整えた。 飯坂温泉のまちに積み重なってきた記憶と、都市で磨かれてきた技術や感性。 その双方が空間の中で自然に重なり合うことで、訪れる人の日常に静かに寄り添う場所となることを目指した。

物件所在地

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