神楽坂のオフィス

ビルディングタイプ
オフィスインテリア

DATA

CREDIT

  • 撮影
    中村 晃
  • 設計
    株式会社細谷卓生建築設計事務所
  • 担当者
    細谷 卓生
  • 施工
    株式会社丸二

37㎡のマンション住戸をオフィスへとリノベーションしたプロジェクトである。 建物は壁式RC構造で、既存住戸はもともと小さな面積でありながら、躯体壁によってさらに3つの空間に分節されていた。 計画では、ワークスペース、ミーティングルーム、ラウンジの3つの機能を割り当て、それぞれの独立性を保ちつつ、分節された空間同士が緩やかにつながる構成を目指した。小さく分断された空間という与件に対し、人の動きや視線、光や風、音や気配といった要素が必然的に「横断」することに着目し、その行為そのものを空間の質へと転化することをテーマとしている。 オフィスの中心であるラウンジには、テーブルと展示収納棚を一体化した造作家具を設え、仕事や打ち合わせ、コミュニケーションなど多様な行為を受け止める場とした。 ラワン材による造作家具・壁・天井と、カチオンフィラー左官仕上げの壁・天井を対峙させることで、モノトーンを基調としたワークスペースおよびミーティングルームから見たラウンジがそれぞれ異なる表情を持つ計画としている。空間同士の質の違いに加え、ラウンジを介した接続の在り方そのものに変化を与えている。 ラウンジとワークスペースの間には扉を設けず、造作家具によって開口の幅や奥行きを調整することで、視線を制御しながら空間の連続性を確保した。 ラウンジとミーティングルームを隔てる建具には半透明ガラスを用い、人の動きや光の移ろいが映り込むことで、空間の奥行きや隣接する気配が感じられる計画としている。ガラス下枠を高さ10mmのアルミ枠とすることで、粗目のテクスチャーを持つ壁面に対して足元を軽やかに見せている。 南西向きに配置された4つの窓からは空の景色や午前中の穏やかな光が得られる一方、夕方の西日や隣接住戸との視線関係への配慮が求められた。そこで、既存サッシの存在感を抑えつつ、光・風・視線といった内外を横断する要素を制御する装置として、額縁状のブラインドボックスを設けている。 限られた面積と分節された構成を前提としながら、「横断」という行為を建築的に受け止め、境界や素材、造作家具の操作によって、小さな空間に連続性と密度を与えることを試みた。

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