




三世帯が中庭とピアノ室を共有して暮らす住宅。敷地は交通量の多い幹線道路と線路に挟まれ、周辺にはオフィスビルや集合住宅が建ち並んでいる。南北の2方道路に面しているが、線路沿いの北側道路から約4m上がっているため、南側道路からのみアプローチできる場所であった。建主からの要望は、6台分の駐車スペース、子世帯が営む英語教室、周囲からのプライバシー配慮であった。 計画は、既存擁壁を取り払い、1階床レベルを北側道路に、2階床レベルを南側道路に合わせて設定することからスタートし、南北道路のどちらからでも車でアプローチできるようにした。これにより、1・2階が避難階になるため、直通階段を1つにすることができる。 1階は教室とガレージ、2・3階は住居とし、生活の場と線路のレベルをずらした断面構成とした。上階の住居は南に開いたコの字型を積層した中庭形式(2階は親世帯、3階は子世帯)で、動線の起点となる2階の真ん中にピアノ室を置き、世帯間の共有スペースとしている。ピアノ室は天井高が約6mあり、北に向かって大きく開口を取った。ピアノを弾いている様子は、ホールや隣接する各部屋に設けた開口から眺めることができる。 構造はRC薄肉ラーメン構造とし、柱型を無くして平面の自由度を高めている。壁には大きな開口を様々な方向に開けて、多方向への視線の抜けを確保することで、中庭形式の求心性を弱めている。周囲の喧騒から生活を守りつつ、外部環境に対して開かれた住環境を目指した。
