今泉町のオフィス

ビルディングタイプ
その他オフィス・企業施設
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1,854
日本 栃木県

DATA

CREDIT

  • 撮影
    ARCREC株式会社 東涌宏和 / 青木心平
  • 設計
    青木建築設計事務所
  • 担当者
    青木 心平
  • 施工
    株式会社丸正青木建設 / 株式会社セガワ
  • 構造設計
    青木建築設計事務所
  • 照明計画
    青木建築設計事務所

働く風景は、その土地の風景や営みを丁寧に読み解くことで見えてくる。 本計画は、栃木市の市街地と田園地帯が緩やかに重なり合う場所に建つ、地域に根差した企業の新社屋である。周囲には農業施設や倉庫が点在し、用途に誠実な建築が静かに地域の風景を形づくっている。そこには意匠として飾られた美しさではなく、働くために積み重ねられた営みが、そのまま建築の姿となって現れている。 私たちが手掛かりにしたのは、その建築の形ではない。地域で育まれてきた働き方であり、人と人との距離感であり、企業と地域との関わり方である。 効率だけでは測れない人との距離感。 静かに考える時間。 自然に生まれる会話。 地域とともに続いていく企業活動。 そして、建物を長く使い続けるという価値。 目には見えないそれらの積み重ねこそが、この土地の働く風景をつくっている。 私たちは、それらを新しく生み出そうとは考えなかった。 地域に息づく営みを丁寧に読み解き、これからの働く環境として建築に編み込むこと。それを、この計画の出発点とした。 外観は地域に見られる切妻屋根と深い軒を現代的に再構成し、街並みに穏やかに寄り添う姿を目指した。低く水平に伸びる屋根は周囲の建築と呼応しながら、新しい建築でありながら以前からそこにあったような風景をつくり出している。 建物へ入ると、来訪者は働く人の存在を感じる。しかし仕事の雑多さは見えない。 働く人と訪れる人。 見る側と見られる側。 その間にある心地よい距離を、建築によって静かに整えている。 執務空間では靴を脱ぐことを前提とした。身体を休めるためではなく、仕事へ向かう感覚を穏やかに切り替えるためである。窓辺や本棚、休憩スペース、プライベートブースを緩やかにつなぎ、一人で集中する時間も、偶発的な会話も、短い休息も、一日の仕事の流れの中で自然につながっていく。建築は働き方を規定するのではなく、多様な過ごし方を受け止める余白でありたいと考えた。 設備計画も同じ思想に基づいている。企業は変化し続ける。だから建築もまた、変化を受け入れられる器であるべきだ。設備は更新しやすく、構成はできる限り単純にした。建築は完成した瞬間に終わるものではなく、使われ続ける時間の中で企業とともに成熟していくと考えている。 昼、大屋根は地域の風景へ静かに寄り添う。 夜、灯りは働く人の営みを街へ滲ませる。 建築は、人の営みを映し出し、その気配を地域の風景へと編み込んでいく。 その積み重ねによって、この土地ならではの「働く風景」は、これからも静かに育まれていく。

物件所在地

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