




PROJECT MEMBER
場所は栃木県那須塩原市。 緑あふれる木々に囲まれ、那珂川に寄り添う那須フィッシュランド内の敷地に休館していた宿泊施設があります。この建物をリノベーションし、那須の豊かな自然を楽しみながら、人と人が出会い、交流し、新たな仕事や暮らしのきっかけが生まれる場として、那須移住を見据えたゲストハウスへと蘇らせます。 ゲストハウスは自炊を基本とする簡易宿所です。だからこそ、料理をつくり、食べる場所をこの施設の中心に据えました。料理を囲み、自然と人が集い、旅行者同士が言葉を交わすことで、新しい関係や出来事が生まれていく。そんな広がりのある場を目指しています。 その交流を促す中心空間として設けたのが「jamフロア」です。 このフロアは、那珂川と魚釣りをコンセプトにしています。川で魚釣りをするとき、人は高いところから釣ったり、川辺に腰を下ろしたり、川の中に入ったりと、それぞれが地形を読み取りながら自分の居場所を見つけます。その所作や感覚を空間に落とし込みました。 空間を流れる大きな「川」は、人数や使い方に応じてベンチやテーブル、小上がりへと姿を変えます。テーブルと椅子という固定された関係をあえてつくらず、用途や季節、その日の気分に合わせて、各々が心地よい居場所を選べる構成としています。丸いおぼんを囲んで生まれる会話は、水面に広がる波紋のように、ゆっくりと周囲へそして地域へ伝わっていくことを想像しました。 仕上げにも釣り場の風景を重ねました。床には釣り場に見られる石や白い砂、土の色を組み合わせた六角形のタイルを用い、その上にウッドデッキ、さらに最上部を那珂川が流れる構成としています。ランダムに配置した電球は、川辺を舞うホタルのイメージ。この空間は、この立地、この環境、そのすべてから着想を得て生まれました。