五色台メモリアルパーク樹木葬墓所森の墓園「語らいの小径」

ビルディングタイプ
墓地・霊園・斎場・火葬場

補足資料

PLAN
図面
東屋PLAN+ELEVATION
図面
東屋詳細図_1
図面
東屋詳細図_2
図面
東屋詳細図_3
図面

DATA

CREDIT

  • 撮影
    市川靖史 / 高野友実
  • 設計
    株式会社キー・オペレーション
  • 担当者
    小山光
  • 施工
    メモリアルアートの大野屋 / 紀の国緑化造園土木 / 東屋施工:赤土建設 / 石碑製作・モニュメント墓標:大倉山スタジオ
  • 構造設計
    構造設計工房デルタ

五色台メモリアルパークの樹木葬墓。2021年に竣工した1期工事では274基、2022年に竣工した2期工事では105基、2023年に竣工した3期工事では600基の墓所を備えた。 樹木葬は、遺骨の周辺にある樹木を墓標として故人を弔う方法で、既存の自然樹林地全体を墓地としたものや、埋葬の際に植林していく里山型もあるが、日本では公園の中の花壇状の墓地の中央にシンボルとなる樹木を植え、その周辺の区画に遺骨を埋葬する方法が一般的である。 五色台メモリアルパークでは、前面に景色が広がる霊園の北側のエリアが計画地として選ばれた。元々この霊園と隣の火葬場の敷地は山の森林を切り開いてできたものだが、この計画ではその森林を部分的に再生して、その中を散策ができる遊歩道を作った。木漏れ日の中のゆるやかな小径を散策しながら故人を偲び、語らうことができる。 前面の道路には、散策路へのメインアプローチと、水場やバケツ置きがあるサービスエリア、合祀のモニュメントが面している。 散策路は川のように蛇行して、半島状になった部分と島状の部分を作り、納骨棺を設置できる長さを生み出している。 北側の島と半島の部分は家族用の納骨棺、南側は個人用として納骨棺の代わりに自然に還る和紙で作られた骨壺を埋葬するようになっている。 3期工事では、来訪者が休憩できるように東屋を建設した。この東屋は溝型鋼で柱と梁を構成しており、屋根に降った雨水は柱の溝型鋼を開放竪樋としてポーラスコンクリートの地面に流している。 敷地全体にはケヤキやクヌギ、シラカシなどの高木、紅葉になるヤマモミジ、イロハモミジ、季節毎の花が楽しめるウメ、ソメイヨシノ、ヒガンザクラ、ヤマボウシ、キンモクセイなどが植えられ、足元にも山野草が植えられている。 合祀には彫刻家イサム・ノグチも好んだ、宮城県、大蔵山の伊達冠の巨石が使われている。自然の力で作られた造形に導かれるように手を加え、霊場高野山に向けて穿った穴に耳をあてると、大地の音が聞こえる。また家族葬の納骨棺にも小さめの伊達冠岩盤石を置くことができ、自然な森の景色を形成する。この墓所は埋葬した利用者だけでなく、他の区画の利用者、訪問者も散策ができる、開かれた森となる。 この墓所では「自然に還るお墓」という日本ではまだあまり見られない、本来の樹木葬を試みている。「自然に還るお墓」ではカロートを設置せず、粉骨した遺骨を麻布に入れて、遊歩道沿いの地中に直に埋葬する。遺骨は土の中の微生物によって生分解されて土に変わり、リン酸カルシウムとして周りの樹木の養分として吸収されて「自然に還る」ことができる。墓標として植えられた地上の樹木は、花を咲かせ葉を落とし、また花を咲かせと繰り返しながら成長していき、埋葬された人々の魂もその自然のサイクルと共生する。 この「自然に還るお墓」は家族単位ではなく、個人単位でも求めることができ、子どものいない夫婦や生涯独身の人、子どもがいても「死後の墓の世話をかけたくない」という人たちの選択肢となる。埋骨後、樹木に吸収され自然に還ったあと(30年程度)は、この森に次の世代の魂を受け入れて、森の成長に必要な新たな養分を供給し、サステナブルな自然のサイクルを守り続ける事ができる。最近の樹木葬墓所では多く見られる管理料なしで永代供養する形だと、最終的に土ごと掘り起こして合祀に埋葬し直すケースが多い。合祀にしない永年使用だと霊園事業としては継続するのが困難だが、次の世代が利用する自然のサイクルに経済のサイクルを組み合わせることで、永続的な霊園事業を営むことができる。

物件所在地

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