




ジリ貧傾向にある従来型ラブホテルの枠組みを解体し、人と人との関係性を育む場としてホテルを再解釈することで、新たなカルチャーの震源地を生み出すプロジェクトである。築7年、客室数18室・3階建ての既存ホテルを改修し、1階をプライベートサウナフロアとするとともに、2・3階の客室は、心地よいデイライトを取り込む健康的な空間へと、内装および家具のアップデートを行った。 計画地である百人町は、江戸時代に他所から集められた武士の居住地として成立した歴史を起源とし、現在では多国籍な人々を受け入れるミックスドシティとして発展している。多様な文化が共存するこの街においては、「自分が自分らしくいられる空間」であることが重要であると考えた。 本計画で想定した「自分」のペルソナは、仕事において一定のキャリアを築き、多忙な日々を送りながらも、精神的・身体的なセルフケアへの関心が高まりつつあるヘルシーな女性である。そうした彼女が自然と訪れたくなる場の創出を目指した。 ブランドイメージの構築と内装マテリアルの選定は同時並行で行うことで、両者が相互に影響し合いながら、インタラクティブにかたちづくられていった。膨大なマテリアルの中から、このブランド「らしさ」を軸に相対的な評価を重ねていくことで、ファンデーションをまとったようなやわらかさとエレガンス、そしてどこか刺激性を併せ持つマテリアル群が抽出された。 結果として、本プロジェクトに並々ならぬ思いを注いだ女性プロデューサーのキャラクターそのものが現れる空間となった。
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