スロープと離れ

ビルディングタイプ
戸建住宅

補足資料

平面図
図面
断面パース
図面
ダイアグラム
ダイアグラム

DATA

CREDIT

  • 撮影
    浜田昌樹
  • 設計
    花井奏達建築設計事務所
  • 担当者
    花井奏達
  • 施工
    吉富工務店株式会社
  • 構造設計
    小松宏年構造設計事務所
  • 造園工事
    いのはな夢創園
  • 井伊畳店
  • 表具
    株式会社静好堂中島
  • 平田翆簾商店
  • 漆床板
    株式会社龍門堂
  • 高野槙風呂桶
    坂上住器

70代後半夫妻のための離れの計画。 敷地は愛知県名古屋市南東部のゆるやかな丘陵地帯の住宅地にあり、勾配のある全面道路から最大で2m程度高いレベルに造成されている。 この離れは、数奇屋的意匠に現代的簡素さと合理性を備えた住宅である。 数奇屋は茶室に代表されるように、茶の湯文化と密接な関係を持ち、「詫び」の精神に基づいた美意識を取り入れた意匠表現が特徴である。 夫妻からは、段差無くアプローチできるようにリクエストされた。そこで、スロープを丘のように設えられた庭を縫って進む「露地」としてデザインした。茶室へのアプローチ空間である露地は、世俗の肩書や雑念を取り去り、心を整える空間である。 アプローチを単なる移動の過程ではなく、ささやかでも庭を回遊しながら進む「広がりのある豊かな体験」にしている。高齢のご夫婦が日々豊かな自然の移ろいを愉しむための、現代の数寄屋住宅における回答とした。 素材や居住性能についても、現代的簡素さと合理性を備えたものとした。銘木などの特別な材料は使わず、一般的に流通し入手しやすいものを適材適所に使用した。相揃わない斑を良しとする衒いのない簡素な美意識を志向した。開口部は伝統的な木製建具ではなく、アルミ樹脂複合の既成品サッシを採用した。断熱性能とコスト・メンテナンス性に優れた現代製品を数寄屋的ディテールを損なわないよう工夫して納め、上質な空間の質を確保している。 形式にとらわれず、無理なく執着の無い姿勢こそが「詫び」の美意識であり、数奇屋が本来持つ自由さだと考えている。

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