SYMBIOSIS

ビルディングタイプ
カフェ

補足資料

平面図
図面
立面図
図面
断面図
図面
断面詳細図
図面
構造検討・解析
その他
温熱環境ダイアグラム
ダイアグラム
アクアポニックスダイアグラム
ダイアグラム

DATA

CREDIT

  • 撮影
    市川かおり
  • 設計
    芦澤竜一建築設計事務所
  • 担当者
    芦澤竜一 / 黒木一輝 / 市川かおり
  • 施工
    木々のや
  • 構造設計
    陶器浩一 / 高橋俊也・高橋俊也建築構造研究所
  • 温室植栽設計
    芋瀬英里・ウイン
  • グラスハウス温熱環境監修
    伊藤教子・ZO設計室 / 根本晋吾・ZO設計室 / 花見海都・ZO設計室
  • 外構植栽計画
    岡知佳・ラーゴ
  • アクアポニックス設計
    大谷洋士・ウィルステージ

時を繋ぐ再生/工業化建築と農的建築の融合 グラスハウスは、産業革命を背景に19世紀のイギリスで、規格生産、プレファブリケーション、大量生産という生産システムの構築と共に発展した近代を象徴する建築様式であり、戦後の日本においても農業用温室を中心に普及した。一方で,各地方には地域の人びとが地域の素材を用い、地域に根ざした技術や知恵によってつくり上げる土着の建築がある。それらは人間の生活圏の木、草、土などを用いてつくる民家が該当する。しかし、戦後の都市はもちろん、郊外住宅地、ましてや田園風景の残る地方においても、住宅や建築の工業化が進み、農的な民家の姿はほとんど見られなくなった。 今回の計画では、人間、自然、社会、地域、他の生命との「共生」を命題に抱えたクライアントと共に、SYMBIOSIS(共生)を問い直したいと考えた。生命は「共生」によって可能性を広げ、進化を遂げてきた。「共生」は、互いに依存し合う関係が必要であり,他の生命と共に互いの利益がある関係でなければ続かない。「共生」の関係をいかにつくるかを考えた。 これまでは単なる生産温室であった施設から人びとが「共に生きていること」を体感できる観光農園として再生するために、地域の農的な循環を重要視し、自然素材や生物が息づく温室カフェ・キッズルームと国産の南国植物や琵琶湖地域の遺伝子を持つ植物による温室内外の庭を計画した。 1970年代に建設されたグラスハウス5棟が建ち並ぶ既存施設のうち、大小ふたつのガラスハウス棟を、温室カフェとキッズスペースへと機能転換を行った。温室カフェでは、近代の工業化建築である農業用温室の内部に入れ子状に農的な手法による茅葺建築を挿入した。敷地内で採取した竹によるレシプロカル構造を主構造とし、クグ、葦と稲藁による茅で屋根を葺き、版築壁や土壁でカフェ空間をつくった。キッズルームでは、子どもたちが魚、植物が連関した生態を学べるように滋賀県産ヒノキ材による三方格子で構成したアクアポニックスを計画した。 通常グラスハウスは、温熱環境的に人が居続ける場所としては快適ではない。また、民家は、その耐候性、メンテナンス性において現代人にとっては維持が困難な状況であり、消滅しつつある。工業的なグラスハウスが鞘堂のように農的な民家を内包することによって、互いの弱点を補完し合い共存できると考えた。今後、全国に余りある工業化した生産システムに組み込まれた建築群に農的建築を取り戻すひとつの再生の手法として提案する。そしてこれからの建築は生命の相互作用を意識した共生の状態をつくる使命を持つと考える。 ●地域循環をつくる建築 敷地内そして近隣の竹藪からモウソウ竹を刈り取り、丸竹のまま温室カフェの主要構造材として利用している。またそれらから割竹をつくり、屋根の下地材としている。茅葺屋根の下地のくぐは、周辺の湿地から表面材の稲藁は周辺農地から確保した。壁の土も周辺地域から確保した。建築時だけでなく、今後のメンテナンスにおいても人々が周辺環境と循環的な関係性を築き、建築を生きながらせていくことを想定している。 ●植栽計画 温室内の農的建築の周囲には、バナナやコーヒーをはじめとした多種多様な南国植物や滋賀県産のハーブが共生するコンパニオンプランツによるエディブル(食べられる)ガーデンを計画した。外構では、敷地内で採取した種子から育てた地域固有種の広葉樹の苗木を植樹し、将来的には森のようになる事を期待している。 ●アクアポニックス 子供たちの身体スケールに合わせて45㎜ヒノキ角材を用いた450mmグリッドの三方格子組による本棚をつくった。金物を一切使わない三方格子に合わせて天板はパネル化によるはめ込み式とし、今後の使い方によってカスタマイズできる計画とした。この立体格子には水槽、プランターや本が置かれ、子供達の椅子や机として利用できる計画としている。また、立体格子内には湖魚と植物が共生を観測できるアクアポニックスシステムを計画した。魚の糞尿等から発生するアンモニアを硝酸まで酸化させ、植物の肥料として利用するシステムである。魚が生み出す堆肥は一部イチゴ栽培に役立てられ、敷地内での循環も行っている。

物件所在地

12