




この建物はコンビニにも採用されているプレファブ工法にて新築したカフェである。 現場効率やコストに優れ、あらゆることが「規格化」されている工法である。 一般的な概念とは別に、その工法はある意味清々しいものであり、 それらを無理にコントロールしようとせずに受け入れることからはじまった。 そもそも規格化されている工業製品にとっては、その存在や成り立ち自体が自然な状態とも言える。 自然素材と既製品(工業製品)を同列に扱い、素材自体を注意深く観察し それぞれに適したおさめ方や構成を与えられるかにかかっている。 場所は新しくオープンした体育館敷地内にあり、体育館施設全体の統括企業の建物をベースに 要望を伝え、設計を共に進めた。内装工事はカフェのオーナーが自ら現場監督をする分離発注にて工事を行った。 それぞれの構法にはそれぞれの異なる空間の方向性があるが、軽量鉄骨造の良さとはなんだろうか? 物理的には勿論、感覚的にも軽やかさと自由さ、そして分かりやすさを感じるところだ。 それは現場組立という作業優先で考えられているが故に パーツ自体の「独立性」が高いからだと言える。 基礎という重い一枚板の上に柱が立ち、梁が架かり軽い屋根がのる。柱間にはパネルが落とし込まれそのまま壁となる。 表裏がなく、物の成り立ち方が完成後も良く分かり、潔さがある。 今回、軽量鉄骨造という躯体にはなるべく直接手を入れず、 その独立性の魅力を最後まで維持しながら、店舗として成り立つようにつくっていった。 内装工事においても、それぞれの基本的な構成要素をパーツ単位で「独立」したものとして扱っている。 例えば壁は壁として扱う、壁や天井の独立性を高めるために垂れ壁はつくらず薄い一枚の天井で 見切っている。畳ベンチは一枚板として浮かし、床との縁を切っている。 素材はモルタルの様な重い素材や畳の様に軽くて和というイメージをもつ素材、アンティーク調の椅子、 低めの木製カウンター、研ぎ出しの石の天板など 様々な重さや質感が個々の独立性を維持したまま、それぞれが際立つことで全体に寄与する。 それは一つの方向性に向かい統合して世界観をつくっていくというよりは 最後までバラバラの状態のまま着地し全体を構成していくつくり方である。 そのように集めた部分が結果、全体としてもプレファブ建築の良さでもある、軽さや透明感を維持し、 客席と厨房が一体的に活気を伝える魅力ある店になればと思い設計した。

