




PROJECT MEMBER
POLA松山小栗店は、カウンセリングやエステ、商品体験を通じて、一人ひとりが自分自身と向き合うための美容空間として計画した。 周囲に飲食店や娯楽施設が立ち並ぶ情報量の多い立地環境に対し、外観はあえてモノトーンでまとめ、商業性を抑えた静かな佇まいとすることで、街の喧騒に「静けさ」で応答している。 空間全体には、POLAの象徴であるドット柄をモチーフとした円形要素をリズムとして取り入れ、ブランドを直接的に主張するのではなく、体験の中で自然と感じ取られる存在とした。 内部では、素材と光、反射のレイヤーを精密に制御し、落ち着きの中に高揚感を内包した環境を構築している。垂直方向に連なるタイルのリズム、曲線による柔らかなゾーニング、鏡と照明によって増幅される光が、空間に秩序と緊張感をもたらす。 カラーガラスとフィルムは間仕切りとして機能しながらも抜け感を保ち、透過した自然光が白い壁面に淡く色づいた影を落とす。これは美容分野で用いられる「透明感」や「瑞々しさ」といった感覚を、空間的に翻訳したものである。 艶のあるタイル、マットな質感、時折混ぜたミラーによって、光の表情は刻々と変化し、「ツヤ感」や「グロス感」といったメイクアップに通じる質感を建築素材に置き換えている。 鏡の前に座る時間は、日常の中で自分自身と向き合い、未来の像を思い描くための小さな儀式である。色彩のシャワーと、鏡によって幾重にも増幅された光に包まれることで、感覚は切り替わり、美に向かう意識と感度が高まっていく。本計画では、そうした心理の変化を支える背景として、光・素材・反射の関係性を丁寧に編み込んでいる。

