M385 BUILDING

ビルディングタイプ
複合施設

DATA

CREDIT

  • 撮影
    岡本譲治/ライオンフォトスタジオ東京株式会社
  • 設計
    株式会社 スタジオコアー
  • 担当者
    岡崎 孔一、松本 誉(たかし)
  • 施工
    株式会社 秀建
  • 構造設計
    さくら構造

港区南青山。 都心にありながら、大通りから一本奥へ入った袋小路に面して、本建物は計画された。 1〜3 階をテナント、4・5 階を専用住宅とする、5 階建ての複合建築である。 都市の中で過度に主張するのではなく、静かに佇むこと。 その姿勢を軸に、建物のスケール感や街との距離感、外部に現れる素材の選択を丁寧に積み重ねていった。 外壁には、検討過程で出会った煉瓦メーカーのデッドストック材を採用している。 燻し加工によって色味を調整し、さらにミル加工により角を落とすことで、硬質な素材に柔らかな陰影と触感を与えた。 新材でありながらも時間の層を感じさせるその表情が、成熟した南青山の街並みに静かに馴染んでいる。 構造はRC 造とし、外断熱工法を採用した。 躯体を断熱層で包み込むことで、室内環境の安定とエネルギー効率の向上を図っている。 環境配慮を付加的な性能としてではなく、建築の構成そのものに組み込むことを意図した。 こうした構成的な考え方は、外部および共用部の素材選択にも反映されている。 コンクリート、鉄、煉瓦、木といった自然素材のテクスチャーを丁寧に重ね、街と建物、人と建築が接する領域に質感を与えた。 都心の裏通りにありながらも、時間とともに深まっていく佇まいをつくり出している。 階段手摺、門扉、笠木、ピロティ天井の金物に至るまで、既製品に頼らず一点ずつ納まりやプロポーションを検討した。 これらのディテールは、意匠として主張するためではなく、建築全体の質感を支える要素として位置付けている。 視線に触れる頻度の高い要素ほど、抑制された存在感の中で建築の輪郭をかたちづくっている。 外部階段は、光や風を取り込みながら建物内部へと導く半屋外的な装置として計画した。 エキスパンドメタルの手摺や細い鉄部材が、コンクリートの量感を分節し、空間に軽やかさを与えている。 サイン計画や門扉、エントランス周りも過度に作り込まず、テナントの表現を受け止める背景として設えた。 素材、環境性能、ディテール。 それぞれを均等に扱い、どれか一つを強調しすぎないことで、使い手や時間によって完成していく建築を志向している。

物件所在地

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