
木構造に架る鉄骨庇 敷地は県道沿いに店舗が並び、その後には住宅が建ち並ぶ 越谷市では一般的な場所にある。 県道沿いの500坪の敷地に40台分の駐車場、基幹病院同等の整形外科クリニックと調剤薬局を建てた計画である。 一般的に医療施設となると閉鎖的な建物になる傾向があるが、今回の計画では 地域に対して開けた開放的な施設となることを設計当初から目指した。 診察室、処置室、レントゲン室、MRI室、調剤室等の医療施設としての基本となる部屋に関しては木造軸組み工法で造り、またクリニックとしての機能を忠実に果たせる基本的な平面計画としている。 一方で、 待合スペース、リハビリホールについては上記の木構造から鉄骨の梁を跳ねだして ポスト柱を建て 大きな庇もしくはパーゴラのような架構を組んでいる。 応力はこの鉄骨の架構から、診察室等の木造架構に流れ木構造で負担するので この建物の構造部類は木造となっている。 その庇の下に木造サッシでカーテンウォールのようなガラスと腰壁からなる外壁面を造り 中庭と外部に対して開けた環境とした。 昨今の整形外科では電気療法だけでなく、理学療法士による指導で運動療法を行い、身体を鍛えることで患者のリハビリを行う傾向にあるようで、その結果リハビリホールというよりはジムに近い環境となるため、ガラスを多用して開放的な空間であっても良い。 中庭に面する窓を開けると外気を感じ ハナミズキにはムクドリが住み着き クリニックに訪れる患者が居心地の良い空間だと思ってくれることを願う。 整形外科の診療待ち時間は1時間以上になることが多く、ストレスをなるべく感じることなく過ごすことができるクリニックと薬局となってほしい。