




PROJECT MEMBER
独立開業と同時に、結婚と出産という人生の大きな転機を迎えたクライアント。 「0歳の父」であり、「0歳の経営者」でもあるその状況を、空間の構成原理へと変換することから計画は始まった。 提案したのは、丸い形状の什器を層状に積み重ねる空間構成である。 1層1層の積層は、未完成な状態から少しずつ輪郭を獲得していく“成長の過程”を象徴し、時間の蓄積そのものを可視化する装置となっている。 施術スペースは、ゲート状のボリュームによって緩やかに分節され、視線や光が重なり合いながら奥へと導かれる。 完全に仕切るのではなく、見え隠れを許容することで、空間には余白と奥行きが生まれ、時間帯によって表情を変える光が、場に静かなリズムを与える。 力強さや完成度を前面に出す従来のバーバー像から一歩距離を置き、 “未完成であること”を肯定する場所としてのサロンを構想した。 この空間は、クライアント自身の人生と重なりながら、日々更新され、成熟していく「成長の器」である。
