




補足資料



PROJECT MEMBER
重ねつぐ長屋、ゆさぶる家具 都心部に建つ重層長屋です。 建主より長く生きる可能性のある建物が、長く使い続けられるよう選択された形式でした。上下住戸ともに親族が利用することも、賃貸することも可能です。さらに各住戸は複数人で住むことを前提に、限られた広さの中でも各人の居心地のよさを確保するため、小ぶりなスペースが数珠つなぎ状に連続した構成をしています。スペース同士の使い分けは様々で、建物が生きる何十年という時間の中で、たびたび起こる生活の変化を許容できる住まいを目指しています。 さて、これら小ぶりな空間に居場所を作るにあたり、家具を通した空間の再編集を試みました。都心部の狭小住宅の宿命とも言える厳しい法規制によって、本計画も、木造ながら木部は石膏ボードで覆う必要がありました。それでも、経年変化を感じ、愛着を持って育むものが住まいには必要と考え、かつての大黒柱の代わりとも感じられる、しっかりと厚みのある木製手すりを計画しました。それをきっかけに、触覚が連鎖するように厚み・丸みのある部位を配置しました。次に、動く家具の可能性を広げる建築と家具の関係を探りました。小さな空間では、造り付け家具で効率的な気積の活用を図りたくなるものの、逆に空間の使い方は制限されてしまいます。ここでは、床に段差をつけテーブルの可動域を広げ、壁にソファの一部を一体化させソファを分散配置可能とする、といった建物側の微調整を各所に施し、積極的に家具と共に動く生活を想像しました。 時間をかけて味わい深さが増すような建築を都心部でも実現する住まいの試みです。
