京都の立体庭屋

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    Yasugi Kazuoki / Osawa Yuki / Yokoi Runa
  • 設計
    ムツデザインスタジオ / 一級建築士事務所 chat design
  • 担当者
    横井 雄大 / 大澤 亮介
  • 施工
    有限会社芙建設 / 岡島建設株式会社
  • 作庭
    GREEN SPACE
  • 照明計画
    ModuleX
  • インテリアコーディネート
    株式会社ソーア
  • カーテン・ブラインド
    ウィズ苦楽園
  • キッチン設計・製作
    ナスラック
  • 造作家具・建具
    高山商店

京都市の商業エリアに建つ、鉄骨造3階建て住宅の改修計画である。 計画地は都市の密集地に位置し、周囲には京町家から建て替わったマンションやビルが建ち並ぶ環境にある。このような状況下では、自然光や風との関係性に加え、窓からの眺望や周囲からの視線をどのように制御するかといった、外部環境との付き合い方にきめ細やかな配慮が求められる。 また、更新速度の速いエリア特性から、今後もホテルやマンションなどの建設が想定される。本計画では、「周辺環境が変化しても快適な環境を自ら確保し、自然を感じながら暮らす」ことを重要なテーマとした。 私たちは改修という制約のある中で「外に開く」のではなく、「内に風景をつくる」ことを選択し、外壁をセットバックさせるなど減築を取り入れながら、住宅内部に5つの立体的な坪庭を挿入した。 庭は吹抜けや窓を介して上下階を連続的につなぎ、視線や光、気配が立体的に交差する構成としている。 1階から3階へと階層により照明、開口、マテリアルを、そこで行われる行為や使われ方に合わせて段階的に変化させ、空間は暗から明へとグラデーショナルに移ろうようになっている。 平面計画ではシークエンスを意識し、部屋の配置や間仕切りの仕方、マテリアルの選定に検討を重ね、ネガティブに捉えられがちなウナギの寝所状の構造特性を肯定的に捉えた「奥性」を感じられる空間を目指した。 場所ごとに庭との距離感や向き合い方が変化し、家の中にいながら様々なシーンの移り変わりが感じる事ができる。 高密度な都市生活の中に精神的なゆとりと豊かさをもたらしてくれるような住まい。 都市の密集地において、単純に外部との関係を断つ中庭型の構成ではなく、距離感を調整しながら内部に風景を重ねることで、プライバシーを確保しつつ、外の光の移ろい、風の音、人々の気配といった都市の息吹を感じられる、京都らしい奥行きと豊かさを内包した住宅を実現した。

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