
PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- 体育・スポーツ施設・ジム
- 構造
- 木造
- 工事種別
- 新築
- 延べ床面積
- 944.99㎡
- 竣工
- 2024-09
CREDIT
- 撮影
- エスエス秋田広樹 / 野津研一
- 設計
- STUDIO YY
- 担当者
- 中本剛志 / 田中裕一
- 施工
- 2024年9月
- 構造設計
- 山田憲明構造設計事務所
- 設備設計
- 総合技研
2030年の島根国体に向け、人口約4000人の美郷町において、中高生が部活動にも利用する、バリ様式を取り入れたカヌー競技施設を建設する風変わりなプロポーザルが行われた。町を横断する江の川は、谷間の地形を活かして国際大会を開催できる条件を備えており、カヌー活動が盛んな地域である。約30年前にバリ島のマス村へ依頼して木彫りのカヌー「ジュクン」を製作したことをきっかけに友好協定を結んでいる。 バリの生活哲学に人々、自然、神様が調和することにより、皆が幸せに暮らせるといった「トリ・ヒタ・カラナ」という考えがある。これを実践するために、バリ島で伝統建築や素材の調査を行い、地域の自然と呼応しながら遠く離れたバリの建築様式や文化・哲学を解釈して取り入れた、地場産の木材を多用した唯一無二の公共建築となっている。日本語には古美る(ふるびる)という言葉がある。時の経過とともに、美しくなるという意味だ。自然素材で作られた建物はまさに古美る建物となり、自然・人々・建築が時間と共に調和する。川や山並みに呼応する緩やかな弧を描く「ジュクン」をモチーフとした大屋根は、雨が降ると、屋根材のアコヤが水を含み全く違った表情を見せ、まるで成長する生き物のように季節や日々の移ろいとともに表情を変える。地域の自然とバリの文化が組み合わさった唯一無二の空間となっている。完成から1年足らずで、カヌー競技の用途だけでなく、産業祭やバリフェスティバルの会場としても活用され、昨年夏にはインターハイが開催されるなど、競技場施設としての役割に加え、観光資源・文化交流拠点として新たな価値を生み出している。
