




働く場には、「静」と「動」、「個」と「集」、さらに「共用」と「専用」といった、相反する性質をもつ要素が同時に存在している。 本計画では、それらが交差し重なり合う結節点としての「出会い」を空間の主題に据え、オフィス環境の再構築を試みた。 L字型の基準階を都市構造になぞらえ、「大通り」と「路地」という二つの動線として読み替え、その交点にパブリックラウンジを配置している。 執務に特化した領域と、共有のための空間。その明確でありながら硬質になりがちな境界を、ラウンジという中間領域が緩やかに解きほぐし、空間的・心理的な連続性を生み出している。 芝大門という街並みの中で、ふとした瞬間に東京タワーが視界に入り込むように、本空間においても発散と集中が自然に交錯する状況を意図した。 アイコニックなオレンジカラーを軸に据えることで、視覚的な記憶性と感覚的なつながりを強調し、場全体に明確なアイデンティティを与えている。 日常の業務の中に、偶発的な出会いや気づきが差し込まれること。 本計画は、そうした一瞬から新たなクリエイティビティが立ち上がることを期待したオフィス空間である。
