




文響社の新オフィスは、「うんこドリル」で一世を風靡した同社の創造性を体現しつつ、出版という知的創造の場にふさわしい空間づくりを目指しました。出版社としての知的な遊び心を誘発する「期待感」、集中を支える適度な「緊張感」、そして社内外の交流を自然に生む「一体感」を兼ね備えています。 エントランスに足を踏み入れると、角の取れた柔らかな天井や壁が温かみのある素材とともに来訪者を包み込み、文響社らしい柔和な社風を感じさせます。ビル最上階という立地を活かし、来客エリアはエントランスから窓面へとまっすぐ導かれる構成とし、執務エリアは窓に面するようベース席を配置しました。自然光と眺望を最大限に取り込み、開放感と集中性を両立しています。 また、躯体のガラス面が天井高の約3分の2である特性を設計基準として活かし、内装のガラス面や垂れ壁、腰壁、家具の高さまで寸法をそろえることで、建築から家具までが一体的に感じられる空間を実現しました。廊下中央に設けた大きなカウンターは、デザイナーの発信や社員同士の交流の中心として機能し、スタンド型のカフェカウンターやソファ席など多様な居場所が働く姿勢や気分の切り替えを柔軟に支えています。 更に、陶芸家・故金あかり氏による陶器作品や、光伸プランニングが制作した3Dプリントの「うんこ先生」オブジェが随所に配置され、文響社ならではの遊び心と創造精神を空間に深く刻み込んでいます。