ハノイのシークレットギャラリー

ビルディングタイプ
共同住宅・集合住宅・寮

補足資料

平面図
図面

DATA

CREDIT

  • 撮影
    Trieu Chien
  • 設計
    Takashi Niwa Architects
  • 担当者
    丹羽隆志、髙橋京平、Phuong Anh Nguyen、Thi Thanh Bui、Ngoc Anh Mai、Bui Cong Ky
  • 施工
    分離発注

 ベトナムの若いアーティストが留学を終えハノイに戻り、ベトナムで芸術活動をはじめる。その拠点としてのペントハウスのリノベーションである。彼の活動をサポートするギャラリー、アトリエ、さらにベトナムのアートシーンを活性化させるサロンでありながら、彼と母親の住宅でもある。  改修を行った築約25年のペントハウスはL字型のプランをもち、西洋風の飾り(オーナメント)が特徴的なドーム天井が中心にあった。この求心性の強い円形のプランと西洋風の装飾は、フランス領時代のハノイらしさを感じさせるものの、制作、展示、交流が重層的に起こる場としては、空間の流れが単一的すぎた。歴史的価値を保持しながら、より流動的で開かれた空間へと再構成することをターゲットとした。  中心の既存ドーム天井の装飾を保存しハノイの歴史的多様性を継承しつつ、壁と天井に連続する曲線を導入した。この曲線が円形プランの求心性をほどき、モダンアートのための余白を生み出す。空間の力強さは残しながらも、視線と動線に流動性を加えた。ダイニング、リビング、キッチンの各機能は三日月状の特注家具によってゆるやかにゾーニングした。曲線の家具を配置することで回遊動線が生まれ、人の動きを誘導しながらも視覚的なつながりを保ち、クリエイティブなコミュニケーションのためのほどよい距離感を生み出している。施主自身が制作したアート作品が、この流動的な空間に色彩と緊張感をもたらす。  アートと建築が交差するこの場所は、一人の芸術家の拠点であると同時に、ハノイのアートシーンに新しい息吹をもたらす実験場でもある。色彩豊かな作品と人々の対話が重なり合う「シークレット・ギャラリー」は、インドシナの歴史的多様性を背景に、次世代のクリエイティブ・コミュニティを育む場となっている。

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