
PROJECT MEMBER
エネルギー、フード、スポーツ、フラワー。 Daiki Groupは、常に未知の領域へと踏み出しながら事業を拡張してきた。その歩みは、完成された成功ではなく、次への可能性を内包した挑戦の連続である。新たなオフィスは、その姿勢を空間として表現することを目指した。 プロジェクトのコンセプトは「未知と余白」。 未知とは、これから向かう領域であり、余白とは、次の挑戦を受け入れるための余地である。 Daiki Groupの歩みをこの二つの言葉に集約し、空間構成の根幹に据えた。 空間は本来の用途や機能を担保し単一的に完結することなく、常に次の場へと連なり続ける構成とした。その連続性は、事業が未知へと拡張してきた時間軸を、身体感覚としてなぞる体験となる。あらかじめ定義しすぎない構成は、空間に余白を残し、使い手の行為や解釈、視点によって更新され続ける。 オフィスへのエントリーとなるファサード、エントランス、回廊。そこは美術館やギャラリー、庭園といった余白の場とし、思考を切り替え、未来を想像するための「間」とした。迎え入れるという明確な用途に加え、滞在者それぞれの感情や思考が重ね合わさることで、空間は常に異なる表情を映し出す。そのための表現としてファサードの構成と質量、エントランスと回廊の空間ボリュームのバランス、壁面の左官の風合いやパターン、陰影の照明計画などを緻密に設定し、ボリュームと明暗のグラデーションを構築した。 メインとなる空間では大理石、モルタル造形、タイルといった素材を、事業の多層性と時間の蓄積を映し出す層として段階的に配置。物質の持つ質量感や素材それぞれが持ち得る形態の変異性と普遍性を捉え、一つ一つのサイズや形状をデザインすることで空間の中に景色としての余白を作り、視覚的ランドスケープとした。 エントランスの回路、浮遊する会議室をはじめとして人々が動的に動き、かつ滞在する場に高低差をもたせ、視覚だけでなく身体感覚を通じて、未知へとひらかれた余白を静かに際立たせ、体感できるデザインとした。 外構に面した開放感のある場所にキッチンとラウンジを配置し、静的で普遍な借景と動的で流動する日常の風景が溶け合うニュートラルな空間として定義し、調理や食事といった行為はもちろん、偶然の会話や沈黙のなかにも、次の関係性や発想を生む余白として機能する場とした。外部と内部の調和を素材からも意識できるよう、床や壁面に外構用タイルや建材を採用。借景の彩りを取り込むため、素材の表情は出しつつ色彩のトーンについて細かな調整を行った。 このオフィスデザインがひとつの完成形ではなく、Daiki Groupの思いとともに更新され続ける空間であり、未知への挑戦と次への余地を内包しながら、未来へつながる景色の一つとなり常に変化し続けることを願っている。
