




補足資料






PROJECT MEMBER
平塚の住宅街に建つ建物です。延べ床36坪──決して大きすぎるという訳ではないですが、この家には住まう人の趣味と人生が、しっかりと刻まれています。 設計の中心にあったのは、ご主人が愛してやまない「本」の存在でした。彼が静かにページをめくり、言葉と向き合う場所。そんな空間を、どこか印象的なリビングとともに、この家に溶け込ませることができないか。そこが設計の重要なポイントとして考えプランニングを始めました。 1階には、ご主人の仕事部屋。ゆったりとした水まわりと充実した収納が、暮らしの基盤を支えています。これらの要素を無理なく、しかし大胆に結びつけるために、一つの提案をしました。 それは、リビングの中央にピットリビングを据え、そこへスケルトン階段をまるで矢のように貫かせるという構成です。 視線と動線が交差し、上下の気配が立体的に交わる。 この家の中心となるリビングは、どの角度から見ても表情を変え、訪れる人の目に静かな驚きを与えるでしょう。そして、階段を上がった先に広がるのは、2階のホール兼書斎。この空間は緩やかな勾配天井を持ち、そこに設けられた壁一面の本棚が、ご主人の書物たちを包み込みます。 自らもこの家の工事に携わった親戚の大工の手で、本と家族とをつなぐ棚が、丁寧に取り付けられる予定です。 屋根は、ソーラーパネルの搭載容量を最大限活かすため、片流れ屋根を採用しています。 その副産物として、書斎には約4メートルの天井高がもたらされ、まるで図書館の吹き抜けのような、伸びやかな空間が生まれました。 外観は、斜めの屋根を持つメインブロックと、水平ラインのボックス型サブ棟が組み合わさった形。 大胆なコントラストは、家全体にメリハリを与え、シンプルでありながら、どこか品のある佇まいとなりました。 この家は、「本と暮らし」をテーマにした、ささやかだけれど力強い一冊の物語のような建物になったかと思います。 。
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