補足資料








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22.7㎡から都市を大きく変える - はっとまちだ=マイクロランドマーク – ■ 最小スケールで都市更新を問い直す建築 「はっとまちだ」は、わずか22.7㎡の建築でありながら、これからの都市の更新手法そのものを問い直す「マイクロランドマーク」である。本プロジェクトは、完成形を先に描く建築ではなく、時間とともにその場所の意味が育っていく建築のあり方を提示する。 ■ 道路上に立ち上がる、完成して終わらない建築 舞台は、都市の中で最も制度化され、固定化されてきた道路空間である。原町田大通りは、車のための道路として整備され、中心市街地の商店街を分断しているような印象を与えてきたインフラであった。 私たちは、道路上にありながら長年地元に愛されてきた民間交番を起点に、町田市・町田まちづくり公社とともに検討を重ね、「通り過ぎるための場所」だった道路を、人が集い、会話やつながりが自然に生まれる場へと転換させた。 はっとまちだは、制度上は道路、空間的には建築、機能的には広場という、いずれにも属し、いずれにも属さない、人間的な曖昧さを備える存在である。その曖昧さが人の行為を誘発し、都市に余白を生み出す原動力となっている。 ■ 設計するのは「形」ではなく、愛されつづける場:マイクロランドマーク 2021年・2022年の社会実験を通じて、オープンスペースでのアクティビティ、場のボリューム感、植栽の量、商いの距離感やその効果、人が立ち止まる時間の長さ、人が立ち止まりたくなる場所の性質などを市民と共に検証し、建物の機能や設計へとつなげた。竣工を迎えた建築はゴールではなく、まちが使い続けることで意味を更新していく愛されつづける場としての「マイクロランドマーク」。それが、これからの都市・まちづくりのスタートである。 ■4つの機能が生み出す、都市と人の接点 はっとまちだは、4つの小さな機能によって都市と人をつなぐ。 「information」では、町田まちづくり公社のスタッフが常駐し、道案内や駅周辺の店舗、イベント情報を対話的に提供することで、来訪者とまちとの最初の接点を生み出す。 「takeout」では、市内飲食店や創業を志す個人・事業者がテイクアウト専門で出店し、軽飲食を通じて日常的なにぎわいを育む。 「shop」では、市内事業者やクラフト作家の商品を作り手の想いとともに紹介・販売し、人と人、人とまちを結びつける。 「spot」は、ベンチや植栽を備えた小さな滞留空間として、誰もが気軽に立ち寄り、地域イベントやワークショップが自然発生的に行われる余白を担う。 ■ 点から線へ、線から面へ、都市が育て続けるマイクロランドマーク はっとまちだの4つの機能は単なる用途の集合ではない。2021年・2022年の社会実験から本設に至るまで、足掛け8年にわたり、市民や事業者とともに検証され、更新されてきた「使われ方の蓄積」そのものが建築の一部となっている。まちが使い続けることで意味が増幅していく、まちと共に育っていく建築である。 22.7㎡のマイクロランドマークは、まちのツボを、点で押す。原町田大通りに小さな変化を生み出す。点から線へ、線から面へと都市のふるまいを連鎖させていく。今後は、「はっとまちだ2」「はっとまちだ3」「はっとまちだ4」へと展開することも想定されており、複数の拠点がネットワーク化されることで、通り全体、さらには中心市街地へとにぎわいが波及していくことも構想している。 また、「shop」「takeout」「spot」を介して多くの人に愛される事業者が育ち、やがて中心市街地の空き店舗などを活用しながら次のステージへと展開していく。その循環が生まれることで、はっとまちだは“通過点”ではなく、町田のにぎわいをつないでいく起点となる。 はっとまちだは、建築が単体で完結する時代を超え、都市とともに成長し続けるまちづくりのプロトタイプとして、これからも更新され続けていく。 銅屋根の象徴的な姿は、町田という都市の記憶に静かに刻まれ、少しずつ都市のふるまいを変えていく起点となる。

