東かがわ手袋ギャラリー

ビルディングタイプ
ギャラリー
9
180
日本 香川県

補足資料

1F 平面図
図面
屋根裏レベル 平面図
図面

DATA

CREDIT

  • 撮影
    HAGISO
  • 設計
    HAGISO
  • 担当者
    宮崎晃吉 / 前芝優也 / 坂本萌乃
  • 施工
    デザインセンター / HAGISO / アートフロントギャラリー / 瀬戸内こえびネットワーク
  • アート
    レオニート・チシコフ / マリーナ・モスクヴィナ
  • キュレーター
    鴻野わか菜
  • 会場構成ディレクション
    宮崎晃吉 / 顧彬彬 / アートフロントギャラリー(岡本濃/下岡尊文)
  • グラフィック
    田中裕亮
  • 展示資料調査編集
    瀬戸内こえびネットワーク(甘利彩子/山本太一) / 協力:日本手袋工業組合
  • インストール
    アートフロントギャラリー / 本間大悟 / Office Toyofuku / 浅川雄太 / こえび隊

【地域産業の記憶を凝縮した宝箱】 瀬戸内国際芸術祭2025夏会期において、香川県東かがわ市引田地区における「レオニート・チシコフ」と「マリーナ・モスクヴィナ」の作品を展示する建物の改修設計である。国内の手袋生産の約9割を誇る手袋産地である東かがわ市。その引田地区に建つ元手袋工場でもある建物を、そこにある残置物、産業文化財、作品が渾然一体となって空間を構成するプロジェクト。 今回、古い大きな木造の建物内にある空間を改修し、レオニート・チシコフとマリーナ・モスクヴィナの2作家が、インスタレーションを展開している。モスクヴィナが物語を書き、チシコフが絵画や立体作品を制作した。いずれも手袋の生をめぐる数編の物語で、そのひとつ《みんなの手 月まで届く手袋を編もう!》は、地域の人たちが古着の布地で編んだ作品である。 「東かがわ手袋ギャラリー」は、かつて酒蔵として作られた建物を手袋工場として転用したのち、さらに地域の団体が手袋産業を伝える場所として使っていた建物である。その建物全体と残置物をあわせて瀬戸内国際芸術祭にあわせて展示会場として改修した。今回、展示会場としてさらに改修するにあたり、作家の作品展示だけでなく、手袋産業に関わるヒストリースペース・手袋ショールーム・手袋ショップを設けた。日本手袋工業組合の協力のもと、手袋産業が発展していった歴史や、東かがわ市における手袋産業の広がりについての展示、オーダーメイドも可能である手袋の販売を行っている。 チシコフの世界観を演出するために、既存建物は天窓を含む開口部が多く明るすぎるということが課題だった。一方で完全な暗室にしてしまうのも建物の特徴を消してしまうことから、適度に光量を調整する方法を模索するなかで、元々の建物の2階の物置に眠っていたメリヤス生地のロールを再利用することとなった。木枠に張力をもたせながら生地を張り付けることできれいな平面を持つパネルを制作。各所の開口部に設置し、光を調整している。 手袋販売のカウンターでは、既存建物に残置されていた家具類を再配置しつつ、手袋を展示する新設のショーケースなどとともに一つの家具として認識できるように、黒いフレームで構造体を構成している。貴重な手袋を展示するアクリルショーケース付き展示台も既存家具を転用した。 会場内には約900点もの手袋産業に関わるミシンや道具などが展示されている。このうち約400点は既存建物内に存知されていたものを再配置したもので、のこり約500点は「東かがわ市」が所蔵していた文化財を当施設に移設して展示しているもの。作品と残置物、産業文化財が渾然一体となった展示となっている。 今あるものを丁寧に活かした空間構成とするために、施工においても適材適所の連携が行われた。まず建物に残された膨大な残置物の整理と大規模な清掃を「アートフロントギャラリー」と「こえび隊」が「東かがわの方々」と共に行い、資料性の高いもの、再利用可能性が高いものを丁寧に分類。続いて建築の電気設備や空調設備、移動式階段や二階手すりなどの造作を工務店である「デザインセンター」が施工。そのうえで、既存家具を利用した受付カウンターや各所の塗装、窓パネルの制作など、現場でデザインと制作を同時に行う必要があるものを「HAGISO」が制作合宿を通じて設計施工。最後に文化財類のインスタレーションとキャプション制作を「アートフロントギャラリー」と「こえび隊」が担当した。

物件所在地

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