南庄町の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    冨田英次
  • 設計
    株式会社一級建築士事務所CONTAINER DESIGN
  • 担当者
    岸本 貴信
  • 施工
    株式会社アークホーム

ヒアリングのときのコトバ 『家を楽しめる・・・』 インテリアや服、音楽を楽しみ。カフェのようなお店のような。 時間がゆっくりと流れる。 そんな家をイメージされていた。 計画地は、徳島市南庄町。古くから形成された住宅地の一角にある、区画整理された整形地である。 周囲を穏やかな既存住宅に囲まれる敷地であるが、東方に眉山の気配があり、そこへの視線の抜けを住まいの中に取り込むことを起点とした。 施主は、インテリアや服に雑貨、音楽といった“好き”を日常の中で存分に楽しみたいという感性を持つ。単なる生活の器としての住宅ではなく、暮らしそのものが空間を通して立ち現れるような場を求めていた。そこで1階の床を土間とすることで、用途を限定しない余白をつくり、インテリアと暮らしが自然と交差する場として扱った。東西に通された土間と吹き抜けは、住宅地という周囲の文脈に対して開きながら、光と風の道筋として住まいの奥深くまで届くよう構成している。この東西方向の抜けは、単なる動線ではなく、住まい全体の気配をつなぐ空間の芯である。 住宅地における開放性とプライバシーを両立させるために、主たる居場所であるリビングを2階に配置した。これにより周囲からの視線を回避しつつ、東に眉山を望む視線が自然と生活の中心へと導かれる。さらに2階のリビングに隣接するインナーテラスは、外部の気配を柔らかく内包し、光の拡散と空間の広がりをつくり出している。 この住宅では、与えられた敷地条件や住宅地の文脈を背景に、風景・光・風という環境の要素と、施主の感性を丁寧に結びつけた。土間という曖昧で開かれた床の設定、東西の抜けを活かした構成、2階レベルでのプライバシー確保と景観への応答。これらの要素が絡み合い、住まいとしての純度を高めている。南庄町の家は、住宅という器を超えて、日常の豊かな瞬間を引き寄せる空間として立ち上がっている。

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