




流れとひらきが、暮らしをつくる。 築50年の古民家を、住まいと店舗が共存する空間へと再生した。 店舗側は、これまでの柱や欄間といった意匠を活かし、 時を重ねた素材の魅力がそのまま空間の個性となる設えに。 吹き抜けのある開放的な構成とすることで、外へとゆるやかにひらかれた場をつくり出している。 一方、住居側は一歩足を踏み入れると、古民家の面影を感じさせない現代的な空間へと切り替わる。 回遊動線を取り入れることで、日々の暮らしや家事がなめらかに巡り、ストレスのない居住性を実現した。 空間の主役となるのは、お施主様こだわりのテーマカラー「ネイビーブルー」。 一般的なクロスでは表現しきれない深みと重厚感を求め、塗り壁を採用している。 大きな面積を濃色で仕上げることで空間全体が引き締まり、 大型テレビやステンレスキッチンといったモダンな要素が、まるでアートのように際立つ。 さらに、質感を残した左官仕上げは、光の当たり方によって陰影を生み、時間とともに表情を変えていく。 調湿効果にも優れた塗り壁は、意匠性と快適性の両面から、心地よいLDKを支えている。 内へと巡る暮らしと、外へとひらく営み。 異なる性質を持つふたつの空間がひとつにつながることで、 この古民家に新たな価値と時間の流れをもたらしている。
