間(Ma)の再編集 - 手仕事が整える、余白の住まい

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    杉野正樹
  • 設計
    一級建築士事務所APED / 駒田雅俊
  • 担当者
    杉野正樹
  • 施工
    東條建築 / 株式会社雅匠

既存の欄間や柱、建具といった意匠は、単に残すのではなく、空間の関係性を生み出す「間(Ma)」として再定義した。 本計画の担い手は、大工自身。 手刻みによる構造や、自ら加工・設えたスリット階段など、空間の随所に手仕事の精度が宿る。 内装はすべて漆喰で仕上げ、かつての土壁やじゅらく壁の上から塗り重ねることで、素材の記憶を引き継ぎながら空間を整えた。 また、和室はあえて手を加えず、時間の層としてそのまま残している。 一方で、廊下や縁側には無垢材を用い、既存と新設のあいだにやわらかな接続を生み出した。 さらに、空調には輻射式冷暖房「F-CON」を採用。 風を生まない穏やかな熱環境が、空間の“間”を乱すことなく、家全体に均質で静かな快適性をもたらしている。 二階の書斎では、押入をオープン収納へと再構成し、そのまま作業の場として機能させることで、既存の形式を現代の暮らしへと読み替えた。 過去のかたちを残すのではなく、そこに宿る関係性を引き出すこと。 この住まいは、手仕事と素材、そして空気環境によって、見えない“間”を、手でつくり直した住まいである。