




石川県白山市鶴来地域における、飲食・物販店舗の新装計画。 かつての呉服店から町のブティックへと、代々継承されてきた建物である。 調査と解体を経て見えてきたのは、長い年月のなかで増築や改装が繰り返され、古い木造と鉄骨造が複雑に組み合わさった特異な姿であった。 流行の変化に合わせて装いを変えてきたこの空間の履歴を、あえて再び覆い隠すことはしていない。 それらが次世代への橋渡しとなるよう、動線の見直しや補強、法規の整備を実施。 木や鉄、むき出しの仕上げや段差といった多様な要素に対し、大らかなパーティションを設けることで、空間をゆるやかにつなぎ合わせた。 また、眠っていた什器たちにはパステルカラーの塗装を施すことで、新旧が織り交じる空間のアイコンとして再活用している。 変わりゆく社会のなかで、複雑に絡まり合った現状を完全に紐解くことは容易ではない。 しかし、そこから目を背けずに将来への手がかりとして肯定すること。 その積み重ねが、この場所の新たな歴史となっていくのではないかと考えている。
TAGS
3

