
CONCEPT 『光』と『風』が家族の絆を造る 《概要》 ベトナムの都市の区画割りは非常に間口が狭く奥行きが長く、また隣接建物が連結しているのが特徴です。この物件も同様で間口4m×奥行き18m地上3階建ての1軒屋です。25年前くらいにオーナーが建てた住宅の全面改装のプロジェクトです。 Conceptの理由・・・《Why ?》 改造前は道路面にのみ開口部がありました。そのため非常に内部をどんよりさせていました。暗くて、通気性も悪く、とても快適な暮らしができるとは思えませんでした。そして、この住宅にはオーナーとそのお母さん、叔母さん、息子の4人家族です。しかも、お母さんと叔母さんは既に85歳前後の高齢です。なので、オーナーの希望は【お母さんと叔母さんに残りの人生をここで幸せに過ごしてほしい!》という思いでした。私は『その思いを叶えてあげたい!』という思いからこのプロジェクトを計画しました。 何をしたらよい?・・・《What to do?》 【いつでも繋がりを感じれる家】にすることを考えました。《いつも同じものを見て・聞いて・感じて生活できる》、つまり『常にお互いの存在を感じられる』ことがお母さんと叔母さんに安心感を与え、幸せな生活がおくれると考えました。 具体的に何をしたらConceptを空間で表現できるか?・・・《《How to do?》 吹き抜けを作り、1F~3Fまで1つの空間として連続させ、いつでも家族を感じられる事を考えました。その吹き抜けは心身ともに通気性をよくし、《吹き抜けが新鮮な空気と幸せな心をつないでくれる》と考えました。また、空からの光が内部に落ちてくることで明るさと開放感を与えてくれると考えました。 《結論》 一つの吹き抜けが【家族の絆を生み出す】と私は考えました。 ベトナムはまだ風水の先生の発言の影響力が強く、何度も計画中にやり直ししました。また構造補強でベトナムの補強方法に疑問を感じ何度も建築施工会社と確認会議を行いました。非常に頭を抱える回数は多いプロジェクトでした。しかし、完成したときにオーナー家族に「あなたにお願いして良かったです❣」と言っていただいて救われました。