Room K

ビルディングタイプ
共同住宅・集合住宅・寮
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292
日本 福岡県

DATA

CREDIT

  • 撮影
    八代写真事務所
  • 設計
    中野晋治建築研究室
  • 施工
    安藤工務店株式会社

博多駅近くのオフィス街に建つマンションの一室のリノベーションである。 住まい手である夫婦は医療関係の仕事に従事しており、都市中心部への高いアクセス性を求めてこの住まいを選択した。一方で、都市居住は、光・音・視線・情報といった過剰な環境刺激に常時晒され続ける状況でもある。 本計画では、都市環境を単純に遮断するのではなく、外皮の調整によって光や熱、気配の質そのものを再編成することを試みた。既存サッシの内側には半透明の内窓を設け、強い日射や都市の輪郭を柔らかく拡散させながら、室内の温熱環境を穏やかに整えている。既存の梁型は曲面によって緩やかに接続し直し、柔らかな光を空間全体へ導く連続した天井面として再構成した。 平面は一筆書きのように玄関から奥へと連続する構成としている。寝室は、柔らかな光が広がるLDKから折り返すような位置に計画し、空間は光の質を変化させながら、徐々に静けさと私的な性質を深めていく。壁は梁下で止め、天井との間に隙間を残すことで、空間を完全には閉じ切らない構成とした。玄関・水回りからLDK、LDKから寝室へと空間の性格が切り替わる位置には、梁下に浮遊するような扉を設けている。この扉は、施主が幼少期を過ごした住まいに残されていた建具を参照しながら、完全に閉じ切らず、かといって無防備にも開かない境界として計画した。光や気配をわずかに透過させながら、空間に奥行きと連続性を与えている。 都市の利便性は、同時に過剰な情報環境でもある。本計画では、その環境を拒絶するのではなく、光・熱・気配を静かに調律することで、都市の内部に呼吸可能な距離感をつくり出すことを目指した。

物件所在地

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