




横浜元町ショッピングストリートの中程に位置する4階建てのビル1棟すべてを、銀座の老舗文具店である伊東屋の路面店にリニューアルしたプロジェクトである。銀座につぐ伊東屋の本店という位置づけであったため、銀座本店のもつコンセプト“過ごす場所”を引き継ぎながら、新しい文化やモノを積極的に受け入れる横浜の感性を演出することを心がけた。銀座本店で使用しているフローリングや木調シート、塗装色を全体のデザインコードとして採用することで、銀座本店と同じような自然で明るい空気感を作り出した。また各フロアにおいては、ノートやポスター、万年筆を自分や大事な人のためにカスタマイズして作成する体験型のサービスを展開しており、そのサービスのコンセプトに沿ったカラーリング及びマテリアル選定、専用什器の開発を行った。 内装や什器の仕上げにおいては、オークやモルタルといった自然や手作りの風合いをダイレクトに表現できる素材や、それらの素材を引き立たせる白やチャコールグレーといった色彩が品よく映える仕上げ材を注意深く選定している。また木調の仕上げ材においては、壁や天井に使用する塩ビシートと什器類に使用されるメラミン化粧板を同柄とすることにより、空間に統一感をもたらしている。 設計においてはBIMを活用し、設計の依頼を受けてすぐに建物全体を3Dモデルとして作成した。その仮想空間内において店舗を作成し、3Dモデルでクライアントと空間意識を共有することで後戻りのない設計を行った。 2019年より始まったオリジナル万年筆を作成するサービス“My Mighty”と、オリジナルインク作成サービス“Cocktail Ink”は、このために遠方よりわざわざ足を運ばれるお客様がいるほど人気のあるサービスとなっている。

