棲み継ぐ築100年の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    西優紀美
  • 設計
    株式会社コプレイスアーキテクツ
  • 担当者
    小松剛之 / 戸井達弥
  • 施工
    株式会社清水住建工業
  • 構造設計
    株式会社三野建築構造研究所

敷地は長野県長野市内の中心部で公官庁の建築群が集積するエリアの裏道沿いに佇む古民家である。大正15年に建てられ改修時で築100年目となる文化財レベルの改修プロジェクト。既存古民家は改修履歴があるものの、石場建で築100年経った状態とは思えないほどに柱や梁、土台、建具が凛と構えていた。竣工当時の大工がベテランの大工だとすれば、明治初期か江戸時代生まれの人たちが作った住宅ということになる。クライアントの祖父の家であった古民家を今後長く棲み継いでいくために、今回は第一期工事としてキッチン、浴室、脱衣室等の水周りエリアを中心に現代生活にフィットさせることが要望された。改修と同時に耐震補強や断熱性能の向上も同時に行い、先人の意志を後世につなぎ101年目の未来へ向けて段階的に改修していく。改修することで安全性や快適さを確保することと同時に古き良き時代の建築がもつ居心地の良い空間の価値を再発見するプロジェクトでもあった。解体工事中には、着手前では把握できない納まりや劣化具合、架構の状況などが多く散見された。工事中の設計変更が重なったことで非常に難易度の高い工事であったが、経験豊富な現場代理人の指揮のもとベテラン大工の職能も相まって、デザインと施工が高次元で融合することができた。既存柱の撤去部分には鉄骨ブレース等の最新技術も取り入れ、当然のことながらデザインを担保する構造的な裏付けが空間の支えとなっている。キッチンとリビングの境界やキッチンと縁側の境界にはカラフルなアップサイクル材(廃棄プラスチックの100%再生材)を用いたプロセ二アム(窓枠)を設け、新しい部分と古い部分のギャップを象徴的に視覚化している。子育てをしながら大切に棲み継いでいくと決めたクライアントの価値観が小さなディテールの積み重ねでささやかに表現している。

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