




本計画は、「琴ヶ浜の渚」一期工事で確立した“海と建築の関係”を継承し、空間体験の純度をさらに高めた二期工事である。 建物は平入の平屋とし、低く深い大屋根によって風景に寄り添う佇まいとした。 建物構成は一期と同様に高床式とし、湿気対策とともに太平洋への眺望を確保している。 アプローチへと連続する大屋根は、端部を持ち上げたような柔らかな曲線を描き、内外をつなぐ「間」として機能する。 深い軒下は光と影を受け止めながら、静かに建築へと導く導入空間となる。 内部に入ると、正面に海が現れ、視線はそのまま水平線へと抜けていく。 最高高さ約6200mmの天井と床レベルの緩やかな変化により、限られた床面積の中に縦方向の広がりを生み、どこにいても海との関係が保たれるよう計画した。 水廻りは建具の操作により一体空間としても機能し、浴室は床を掘り込むことで、季節によってはプールのように使える構成とした。 高床式を活かした断面的操作により、内外の境界はより曖昧なものとなる。 建具・浴室・キッチン・ソファに至るまで全てを造作とし、空間と家具が一体となる設計とした。 一期で目指した「風景に没入する体験」を基盤とし、二期(離れ)では屋根・断面・動線を通して、その体験をより身体的なものへと深化させている。 海、光、風、そして時間の移ろいを受け止める器として、建築が風景の一部となることを目指した。

