




PROJECT MEMBER
わたしたちは、いつ"子ども"から"大人"になるのだろうか。 "大人になる"という言葉は、単に歳を重ねることだけではなく、経験を重ねた瞬間や、感性が生まれた瞬間、自立した瞬間を指す。 ここ、panyaは、食を通じて、年齢問わず誰もが平等に体験し、感性を育む過程を楽しむ"子ども"と"大人"の間の場。 遠いようで、近いもの。 ベーカーリーレストランであるpanyaが描くその距離を、ふぞろいなものをひとつの空間に同居させることで表現した。 床面に敷き詰められたタイルは、岐阜県瑞浪市で採れた土を手作業で成形したもの。 形や色のゆらぎを受け入れる場所の器として、これらを無釉で焼きあげている。 素材となる土は数百万年前の湖底に堆積した「太古の粘土」。職人が一枚ずつ丹念に「手作業による仕上げ」を施すことで、陶土本来の生命力と工芸的な繊細さを同時に表出させている。1300度を超える還元焼成で焼き抜かれた無釉の肌は、意図を超えたゆらぎを生み、光と影を深く吸い込む。この一品生産の集積は空間に大地の記憶と静謐な温もりを宿している。 黄土を用いた無造作な左官による仕上げは、その範囲を限定しない。 機能の違いを超えて同じ仕上げを施すことで、用途に縛られることのない余白をつくりだした。 手付かずの土の表情は、どこにでもあるようでどこか懐かしい。 異なる樹種を組み合わせたふぞろいな椅子に腰を掛け、土で仕上げた大きなテーブルを囲むとき、 そこに子どもと大人を分ける境界は、きっとない。
